昨日(22日)、あの反原発過激派「市民」ジャーナリスト、木下黄太氏のブログをみて、この過激さもここまで来たのかと唖然とさせられた。大阪市が進めるがれき広域処理に反対する集会でなんと9歳の女の子が「スピーチ」しているのだ。以下全文
私は瓦礫を受け入れてほしくないと思ってます。なぜかというと、大阪で瓦礫を燃やしたら、放射能が来るかもしれません。大阪だけでなく他の場所にも来るかもしれません。
放射能は風に乗って色んな所に行くと思います。
放射能を食べたり吸ったりしたら私たち子供や小さな子は病気になるかもしれません。
私が大きくなって子供ができてその子供も病気になるかもしれません。
だから私は嫌です。
福島から大阪に逃げたお友達が居ます。放射能が怖くて大阪に逃げてきたのに、また大阪に放射能が来るのです。
他にも友達が大阪に沢山います。友達のことを思うと悲しくて涙が出ます。
市長さんが瓦礫を燃やすとみんなが困ります。
悪いことをした人は警察が捕まえてくれます。
橋下市長さんが大阪に放射能を持ってくるのは悪いことだと思います。
でも、どうして警察が捕まえないのかわかりません。
市長さんはみんなのために仕事をしてくれる人だと思っていました。
橋下市長さん、瓦礫を燃やすのをやめるとはっきりして下さい。
この後に、その子の母親のスピーチが続いていることから、女の子のスピーチに母親の「検閲」が入っているのは想像に難くない。というよりも、日頃母親から繰り返し言われている過激な考え方を子供なりに「習得」して表現したというべきかもしれない。あるいは母親の完全な「作文」なのか、実際のところはよくわからない。
ただ「放射能がくるかもしれません」とか「病気になるかもしれません」と推量の表現になっているのは救いか?でもこれも悪く勘ぐれば「子供らしい素直さ」を演出させるため、母親が「戦略」として「補正」したといえなくもない。
ともかく、これは9歳の女児が自分一人の自由意志で発言したとは到底思えず、親の強い影響下におかれていることは間違いない。さらにこんな夜の市民団体の集会に年端もいかない女児を参加させ、しかもイベントを盛り上げるために発言させるなど異常というほかない。母親ばかりか、この団体は幼い子供を自分たちの活動の広告塔、悪くいえば道具に使っているといえる。
「スピーチ」でさらに驚くのは橋下大阪市長に関してのことだ。「橋下市長さんが大阪に放射能を持ってくるのは悪いことだと思います。でも、どうして警察が捕まえないのかわかりません」橋下市長は悪い人間だから警察は逮捕しろ…こんな理不尽なことを9歳の女児にいわせる母親は一体どんな親なのかと慄然とさせられる。
大阪市が焼却する岩手のがれきは、放射性物質の濃度がキロ8ベクレル程度だという。これを大阪のゴミと混ぜて焼却するが、灰として濃縮されてもせいぜいキロ50ベクレル以下だろう。とても健康被害云々のレベルでない。まして「私が大きくなって子供ができてその子供も病気になる」など考えられない。それもこれから試験焼却をして実際の状況を調べる段階だ。
どこが「橋下市長が悪く」「警察に逮捕され」なければならないのか。子供にこんな「暴論」をいわせる親こそ極めて問題だと思う。どこか宗教カルトでの子供を想起させる。
以前オウム事件で、親の入信で教団に連れ込まれた子供たちが問題になった。子供たちは完全に社会から隔離され教団の教えを一方的に叩き込まれていた。あの奇妙なヘッドギアを当てながら。保護された子供に記者が普段どんなビデオを見ているのかと訊ねると、「尊師のビデオ」と答えていたのが忘れられない。
確かに今回の女児はオウムのようにはまだ社会から「隔離」はされていない。ただ、母親の偏狭な考え方に強い影響を受け、親の活動に駆り出される現実は看過できない。こうした社会的な問題を充分判断できない9歳女児はまさに親のコントロール下にあるといわざるを得ない。
ところでその母親が女児に続いて行ったスピーチは放射能忌避の超過激な考え方であり、世間で言われる「放射脳」の典型といってよいだろう。
*がれきが焼却されれば、必ず空気は放射能で汚れます。
*(知り合いの女性が)東京でたくさん被ばくしたので、怖くて子供が産めないと、いいます。
*これから先、たくさんの人々が被ばくのために体調を崩し、西日本に避難してくることは簡単に想像できます。…
など、お決まりの放射脳用語がちりばめられている。あげくにはこんな偏見が飛び出す。
こちらに避難してきた人は、津波や地震だけなら避難せずにすんだ、復興できた、とみんな言います。しかし、放射能汚染に復興はありえないのです。
なんと東北はすでに放射能に汚染されて「復興はありえない」とまで言い切っている。これを被災地差別と言わずしてなんというのだろうか。「関東を含め東日本は既に汚染されています。勝手にがれきやこみを自分のところで焼却してさらに汚染させてください。でも復興は無理です。私たちは、きれいで安全な場所で暮らしていきますから…」
こんな傲慢で無知な人間が集まり過激な放射能忌避を盲信する団体をつくる。反社会的活動も行う。これを反原発カルトとよんでも決して誇張ではないと思う。そして子供をもその世界に引き込む。これは現在の「社会問題」と考えるべきではないか。女性がスピーチでいみじくも語っている。
放射能から家族を守るために、会社をやめて、家族で大阪に移住されたお父さんがいます。ある若い女性は離婚して、大阪に避難してきました。
「移住」の必要もないのに無駄な出費で故郷を離れその絆を断つ。さらには離婚までして家族を引き裂く。反原発カルト問題の根は深くその闇は暗い。