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こんな夜にはこんな読書「翻訳夜話」

2008-02-23 11:56:05 | こんな夜にはこんな読書
いつか生話を聴きたいと思っているけれど

ジュンク堂のトークセッションはいつも満員御礼になってる柴田元幸と、
村上春樹の「翻訳夜話」をとりあえず読んでみる。

それは翻訳という世界にちょっと興味があって
でもどこからどうやって近づいていけばいいかわからないから、というのもあって。

対談形式で進む本編は
なんだか柴田元幸も登場する質問者も
みな一様に村上春樹の言葉に媚び諂いまくりの印象。

翻訳というもの自体が曖昧だからなのかもしれないけれど
村上春樹が言ってるのはあまりにも主観的で曖昧で高慢ちきな感じ。

私はこうしてるけれど、
これはプロだからできるわけであって
君たちはやっちゃいけないよー、みたいな
ここまで降りてこない感じ。

以前「ライ麦畑でつかまえて」「キャッチャー・イン・ザ・ライ」を読み比べてみたときは
何が違うのかわからなかったけれど

「海彦山彦」の章を読む前に
自分なりに原文を読んでみて
それから村上春樹と柴田元幸の競訳を読んでみたら

自分の初期イメージと彼のと彼のとでは三者三様に
明らかに受け取るイメージの色が変わったことに気付いた。

翻訳するってことは、
特に文芸翻訳というものが読者に与える影響は計り知れないのだと。

心にひっかかった言葉。

「文章っていうのは人を次に進めなくちゃいけないから、
 前のめりにならなくちゃいけないんですよ。
 どうしたら前のめりになるかというと、やっぱりリズムがなくちゃいけない。
 音楽と同じなんです。」
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