旅する小林亜星

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社交

2008-05-31 00:13:46 | 旅人
沖縄の社員旅行の1日目夜、
宴会のあとホテルに向かうバスの中で
後ろの席の営業さんがこれから風俗に行くという話をしてた。

「愛は、むずかしい」で描写されてた、

「重く澱んだ、粘り着くような夜」に
「緻密な肌の女とそっと躯を合わせる瞬間の、
 あの気懈さまじりの不思議な昂ぶりを」少しだけ味わってみたくて

はじめて話すひとだけど
付いてってもいいですかと言うと

営業さんは恥ずかしがることもなく、すんなりOKしてくれた。

23時ごろ、ホテルの前からタクシーに乗り
「真栄原」という街を目指す。

しきりにお金のことを気にしているようだったので
行きのタクシー代は社会見学代だと思って払うことにした。

タクシー運転手さんもなかなか話がわかるひとで
あたしが見学に来たことを知ると

女のひとが真栄原の街中を歩くと変なことになるからと言って
タクシーでゆっくりと街を流してくれた。

赤線とも言われるだけあって
いやらしいピンク色の蛍光灯が煌々と灯されている、
小さい店のドアが開いていて入り口付近に女のひとが座っている。

なんとも妖艶だ。

「真栄原社交街」と書いてある入り口に戻り、タクシーを降りた。

営業さんは軽く一杯やろうと言って
いっしょに居酒屋に入った。

営業さんは30歳で、
合コンで知り合った40歳の女性に恋してるとのことで

あたしと同じ、B型の彼女の言動に振り回されているようだった。

彼女の言動はあたしにはよく理解できる類の天邪鬼的なものだったので
それは照れ隠しだとか、それはやきもちだとか

B型的視点から解説した。

30分くらい飲んでから
営業さんは出動した。

あたしはレバ刺しなどをつまみつつ
ソフトドリンクで読書をして

営業さんがことを終えるのを待った。

25時過ぎて
汗ばんだ顔した営業さんがご帰還された。

タクシーに再び乗り込んでホテルに向かった。

タクシーの中で営業さんの収穫を聞いた。

営業さんは女のこを物色しつつ
何人かと交渉したものの、

最初によいと思っためがねっこのところに戻ったところ
すでに営業中になっていたので諦め

次にいいと思ったこのところで30分10000円で手をうったようだ。

ちなみに15分5000円と30分10000円の違いはなにかと言うと
後者はキスを含め、なにかとオプションが付くようだ。

最後には射精できたものの、
実はあまり気持ちよくはなかったそうで。

そんな話をしてるうちにホテルに着いたが
エレベーターの中で「今度オレとどう?」と営業さんが言い出した。

風俗に付いていくあたしもあたしだけど
風俗に付いてきた女をセックスに誘う営業さんも営業さんだ。

あまり魅力を感じてなかったし
どうせやりたいだけなのだろうと思って

「また来年にでもよろしくです」とかわいらしいよに言ってみたら

営業さんが「あ、わかった」と言った。

続けて
「それがB型の照れ隠しってやつでしょ」と。

その推測は完全に間違ってますと言うのも面倒くさく。

営業さんにおやすみと言ってから、ひとっ風呂浴びて
営業さんの部屋に集まって飲んでるひとに退職の挨拶をしようと行ってみると

ドアが半分開いていて
中から話し声が聞こえた。

営業さんの上司の声だ。

「じゃぁ、ここで大事なのは
 あまり時間がないアキ男。さんにどう営業さんがアプローチするかだよ・・・」

どうやら営業さんはあたしとセックスしたいだけではないらしい。

聞かなかった振りをして部屋に入って行くと
みな「うぉー、来た来た」と盛り上がった。

軽く挨拶をして部屋を出た。

数日後営業さんからメールが来て
ごはんに誘われた。

どういうタイミングであたしに魅力を感じたのか・・・
男の気持ちはよくわからない。

ところで社員旅行の最終日に空港で
ほかの同僚に聞いたところ、

ホテルの裏の辻という町では
50分8000円だったそうだ。

なにも真栄原まで行かなくてもよかったんじゃん。
タクシー代返せ。

3200円。
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