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袖下

2015-07-05 13:41:16 | 青春生き残りゲーム
昨日は義母の60歳の誕生日で、
100人規模の盛大なパーティを企画。

誕生日当日の義母のためにジェルネイルを予約。
92ドルを支払うついでに、あたしの誕生日に義母からもらったバウチャーでドレスに合わせた色で、金曜日にネイルしてもらった。

支払いのときに担当の女の子が機械に金額を入力して
クレジットカードで払おうとしたら受け付けてないことがわかった。

「あ、クレジットカード使えないんだ。じゃ、EFTPOSで払うね」と払おうとしたら

「今朝からなんかEFTPOSおかしくて使えないの。ATMでお金下ろしてきてくれる?」と言われたので
ATMまでひとっ走り。

50ドル札1枚と20ドル札2枚、2ドルコインを手渡して、予約券を待っていると
受付台の下のほうに置いてあるレジの上にあった彼女のほうでカサカサと音がするので
なんとなくそちらを向くと彼女がごそごそと、
手首のところがすぼまった袖の中に不自然に何かを押し込んでいる様子。

唖然。
おそらく彼女はあたしが手渡した紙幣を袖の中に隠したのだ。

口の下にうっすらと産毛が生え、もうすぐ眉毛がつながりそうな、
垢抜けてない、
生娘のような彼女が。

おそらくあたしに半部始終を見られたことを知ってるはずの彼女は罪悪感のかけらも覗かせず
あたしのネイルをはじめた。

左手の袖口を見るともっこり膨らんでいる。

彼女はベトナムから来たインターナショナルスチューデントであり、
専門学校でビジネスを学んでるらしい。

あたしが彼女の腕をつかんで、これなに?と言わなかったからよかったようなものの
おそらく日常的にピンはねしてる彼女は学生ビザを失う可能性もあるのでは。

そんなハシタ金で人生狂わせることよりも
罪を犯して何も感じないほど物理的彼女と精神的彼女は貧しいのだろうか。

マニキュアとペディキュアとマッサージしてもらってリラックスしようと思ったのに
ことの一件を見てしまったあたしの心臓のほうがドキドキして
リラックスはどこかに行ってしまった。

というかひとの道に曲がったことをしないという、
ありきたりのことをありきたりのように感じる価値観に育ててもらってラッキーだったと思うことにする。

あたしは子ジョジョや二ジョジョをそんなふうに育てられるだろうか。

そういえば、あたしのあとに来たお客さんが普通にEFTPOSを使えていて
応対していた彼女は故障の件など何も言ってなかったので
ピンはねは彼女が最初から企てて、あたしに嘘をついたことが推測できる。

それにしても「袖の下」という言葉があるように
ingoingだろうが、outgoingだろうが、
疚しいものは袖の中に潜ませるというのは日本でもベトナムでも万国共通なのかもしれない。

ここ最近のあたしの日常は毎日のルーティンで構成されていて
ときめきもドキドキもなくて、少しばかりのストレスで

きっとブログを書いたら義姉の悪口ばかりになってしまって全然ネタになることないやと打ちひしがれていたけれど
お金を使うとそんなネタも転がってるんだなと思った。

いやお金を使わなくても、いろんなひととの出会いに満ち溢れてて
ブログに書きたいネタが満載だった独身のあたしに嫉妬する。

でもきっと38歳であたしが独身だったら
今の平凡で、ダーリンラブで、子育てと家族のストレスに振り回されてるあたしをうらやましいと思うと思う。
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