話すには俊敏な脳の動きを要する、
三波の高校時代の女友達Mやおが好きだという三島由紀夫。
三島由紀夫はといえばなんだか食指が動かず「潮騒」しか読んだことがなかったので
初心者向けのお薦めを聞いてみると彼女は
「えーっとあれは確か黄色い背表紙だったから・・・
新潮文庫の『花ざかりの森・憂国』という短編集」と
本の装丁や出版社まで記憶されてるほど読み込まれてる様子。
三島由紀夫が好きなのはとにかく日本語が美しいからとのこと。
というわけで図書館ですでに日焼けして
ベージュっぽく変色してしまった背表紙のそれを借りてくる。
新潮社。
エンジンがかかるまでかなり苦労した。
その美しい日本語は言われてみれば確かに本当に美しいのだけれど
それを余すところなく鑑賞する器があたしにはきっと足りなかった。
一語一句美しさを噛み締めようとし続けたら
美しさの上にさらにおもしろさが乗り移ってきた。
心にひっかかった言葉。
「苦痛は腹の奥から徐々にひろがって、腹全体が鳴り響いているようになった。
それは乱打される鐘のようで、
自分のつく呼吸の一息一息、自分の打つ脈拍の一打ち毎に、
苦痛が千の鐘を一度に鳴らすかのように、彼の存在を押しゆるがした。
中尉はもう呻きを抑えることができなくなった。
しかし、ふと見ると、刃がすでに臍の下まで切り裂いているのを見て、
満足と勇気をおぼえた。」
三島由紀夫が割腹自殺したとき
死に瀕して自分の描写は割腹の苦痛表現として
値していたかどうか確認できただろうか、などと思ってしまった。
「新聞紙」と「橋ずくし」が特におもしろかった。
オチが。
ところで「百万円煎餅」で登場する夫婦の本職はなんだろう。
Mやおに今度会ったとき聞いてみよう。
「憂国」は春本としても優れているらしいので
今夜のおかずに。
究極の快楽は死と隣り合わせか。
性交中に首を締める行為はそのためか。
というかそんなこと考えたら不謹慎か。
次は美容師おすすめの「岬にての物語」に行ってみよ。
三波の高校時代の女友達Mやおが好きだという三島由紀夫。
三島由紀夫はといえばなんだか食指が動かず「潮騒」しか読んだことがなかったので
初心者向けのお薦めを聞いてみると彼女は
「えーっとあれは確か黄色い背表紙だったから・・・
新潮文庫の『花ざかりの森・憂国』という短編集」と
本の装丁や出版社まで記憶されてるほど読み込まれてる様子。
三島由紀夫が好きなのはとにかく日本語が美しいからとのこと。
というわけで図書館ですでに日焼けして
ベージュっぽく変色してしまった背表紙のそれを借りてくる。
新潮社。
エンジンがかかるまでかなり苦労した。
その美しい日本語は言われてみれば確かに本当に美しいのだけれど
それを余すところなく鑑賞する器があたしにはきっと足りなかった。
一語一句美しさを噛み締めようとし続けたら
美しさの上にさらにおもしろさが乗り移ってきた。
心にひっかかった言葉。
「苦痛は腹の奥から徐々にひろがって、腹全体が鳴り響いているようになった。
それは乱打される鐘のようで、
自分のつく呼吸の一息一息、自分の打つ脈拍の一打ち毎に、
苦痛が千の鐘を一度に鳴らすかのように、彼の存在を押しゆるがした。
中尉はもう呻きを抑えることができなくなった。
しかし、ふと見ると、刃がすでに臍の下まで切り裂いているのを見て、
満足と勇気をおぼえた。」
三島由紀夫が割腹自殺したとき
死に瀕して自分の描写は割腹の苦痛表現として
値していたかどうか確認できただろうか、などと思ってしまった。
「新聞紙」と「橋ずくし」が特におもしろかった。
オチが。
ところで「百万円煎餅」で登場する夫婦の本職はなんだろう。
Mやおに今度会ったとき聞いてみよう。
「憂国」は春本としても優れているらしいので
今夜のおかずに。
究極の快楽は死と隣り合わせか。
性交中に首を締める行為はそのためか。
というかそんなこと考えたら不謹慎か。
次は美容師おすすめの「岬にての物語」に行ってみよ。
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