旅する小林亜星

小林亜星情報満載

こんな夜にはこんな読書「美少年」

2005-08-21 00:45:37 | こんな夜にはこんな映画
団鬼六の「美少年」。

同僚が電車の中で読んでいて

「妻のフェラチオで自失寸前に追いこまれた川田が、
 奥さん、ええか、いくでえーっと声をかけると
 妻は一瞬、川田の肉塊より口を離し、
 ねっとり情感に濡れた瞳で川田を見上げながら、
 いいわ、うんと出して頂戴。あなたを愛している証拠に
 全部、飲んであげるわ、と熱っぽく喘ぎながら
 口走るそうである。」
   
という一文に思わず吹き出した、という話を聞いて読んでみた。

山田詠美の文章は
ソーメンのよにツルツルと喉越しを楽しむとしたら
団鬼六の文章は
濃厚なチーズのようで
上質なワインとともにじっくりと
ひとつひとつの言葉を味わいたい感じ。

ひとつ、不可解だったのは
どこまでが現実でどこまでが非現実なのかということ。

谷ナオミ、東てる美、渥美清など
出てくる登場人物は皆、現実のひとだ。
コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする