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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【2021'9航海目】!

2021年10月20日 | モバイル
…正装した100人のバイオリニスト達と管弦楽団の指揮者が私の前に来て

「今一番聞きたい曲を1曲だけ奏でてあげるから、何という曲がいいか?」と聞いてきた…

…「tears」… が聞きたいと答えた…

するとフルオーケストラが始まった…
大きなホール、私一人の目の前で曲を奏で始め、そのメロディーが至極の心地好さだ…

…すると誰かが足を突つく…

…「セットリングタンクの油量が足りない」と起こされた!

……夢だったのだ……。。。
しかしリアルに覚えている夢…
何かの暗示か…?

10月15日・12時、漁灯を拡げ 花咲出港!
チェックポイント経由公海向け。

18時過ぎ頃に起こされたので2時間程寝たタイミングだったようだ…

ずっと調子が良かった燃料油清浄機が不調となり、なかなか正常にならない…
云う事を聞いてくれない…
一旦正常運転になるも、またすぐ異常をぶり返す…
様子を伺いながらあれこれ…
結果 24時間対応になった…

私が運転時間を記録している本船の機械の中で、最初に10000時間稼働を超えたのが燃料油清浄機…。
約5500時間でオーバーホール済みだったのでまだ今期は大丈夫と考えていたが…。

16日・15時30分S/B。
外国籍船団の多い海区、17時過ぎから操業開始。

魚体組成の良いやや纏まった群れを操業し、期待は高まったものの、21時頃から冷たい雨が降り出して甲板は寒くなった…

次第に南東風が強まり、また時化だ…。

日付けが変わった頃に南風に変わり、寒さは和らいだものの
サンマは見えなくなった…

夜明けと共に南風・うねりが強まり 支え…。

さすがに目が渋い…

17日・15時30分S/B。
うねりは残ったが風は弱まった。
しかし雨が降り出し、日没には豪雨、そして風が西に変わって強まった!
また時化海だ…

北よりに調査…
風波と共にうねりは更に高くなり、厳しい操業条件…

朝まで降り続いた雨に波・風で、夜明けには膝がぐらついた…。

18日・15時30分S/B。
風がおさまって、ややうねりは残ったが時間と共に凪となった…

しかし、この夜もサンマが跳ねない…


画像は、漁種は不明だが 我々と同じ海区にて操業中の外国籍船…!

せっかくの凪、懸命の調査も群れは見えない…
薄群れを回数操業…
魚体組成は良いのだが漁獲は伸びず、夜明けを迎えた。

20日の晩はまた時化予報…
帰途航走となった。

不調だった燃料油清浄機が、云う事を聞いてくれるようになった…!
と思ったのも数時間…
まただ やれやれである…。

本当に日々いろんな事があり勉強は尽きない…
神は試練を用意してくれている…

出来る限り、漁撈長の漁の足を引っ張る事がないように…
なんとか凌いで行きたいものだが…。

夢だったにもかかわらず、まだ耳には残聴、あのオーケストラのメロディー
YouTubeにないかな…?

20日・朝2時30分、チェックポイント通過
4朝30分時頃の花咲入港予定。