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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【4航海目】!

2016年09月07日 | モバイル
9月2日朝7時30分、花咲入港水揚げ。

氷の積み込みを終えて9時15分・花咲出港!
チェックポイントを経て漁場向け…。

公海に程近いロシア海区の東端側、まだまだ漁場は遠い…


3日16時S/B・凪良く、水色も良く、獲れそうな期待感で日暮れを待った…

日没頃より水平線に、外国船団(台湾?)の赤い漁り火が広がる…

付近には日本漁船のカラフル?なLED漁灯が点り、北の漁場が華やぐ…

調査開始も、期待にそぐわず群れは薄い…

活気のある声も聞こえてこない…

回数操業も空しく僅かな漁獲に終わり夜が明け漂泊。

朝食を済ませ、眠りについて程なくメインエンジン始動の合図!

ロシアコーストガードが外国船団を臨検中との情報で、漂泊位置を移動。

違反がなくとも臨検ともなれば時間に縛られる…。

ロシア海区内、相手はロシアコーストガード、日本漁船の理屈は通用しない…!

4日・16時S/B、更に凪が良くなり、鏡のような海面…。

北海の低水温域特有の緑色の濁水系。

付近には日本の漁船のみ十数隻、外国船団は見えない…

調査開始、漁灯の光の下にゆらゆらと游ぐ秋刀魚…

この濁水系では秋刀魚の動きが遅い

1回目の操業で若干纏まった漁獲があった…!

なかなか連続操業、(続けて網を入れられる)ような群れは少ないながらも

3回操業して調査航走、しかしその後は群れが薄く、薄群れを数回操業…



日付けが変わって各船が散らばり、南西よりに調査。

遠くに外国船団の赤い漁り火が見え始めた頃、秋刀魚の動きが活発化した…

鯨である…
今年もまた鯨の回遊と共に秋刀魚を追うのだ…!

夜明け近く、探照灯の先の海面に秋刀魚が跳ねる…

群れは薄いが秋刀魚が見え始めた!

若干纏まった群れを操業し、夜明けより帰途航走。

若干纏まった群れとは云っても、

一度に1つの漁艙が決まるような群れとは程遠い…

しかし、夜明け近くに跳ねる秋刀魚が見え始めたのは、近々群れが固まる兆し…

低海水温域の分枝の張り出しに注意だな…

まだ尚遠い漁場、6日朝チェックポイント通過、船は女川向け…

7日朝6時頃の入港予定…!

…ルーキー便り…

やや纏まった群れを操業した際、氷がおわれそうになった…

群れの状況によって甲板への氷の準備が変わる…!

この時は、氷の用意が少なかった…

一気に氷を氷艙から揚げなければならないので、甲板は忙がしくなる…

それぞれの作業のピッチを急がなければならないのだが…

まだ慣れないルーキーはマイペースだった…。

実はそこがスイッチの入れ時なのだ…!

スピードが要求される秋刀魚漁の中で、若人が配置される氷艙担当。

ここの作業の進行によっては漁獲が変わるのだ!

状況に応じて各々がスイッチのオンオフを切り替えて作業にあたる…!

シーズン中に、これから幾度となく遭遇する…!

操業を終えて、当直が一回りした時に今航海の感想と、今後の楽しみを聞いてみた…。

「氷がおわれた時に疲れた…」 正直な感想だろう。

今後の楽しみ「漁が終わってからのお金…」   ・・・・ 地味だぞ秀斗…

これから何度もスピーディな作業を要求される場に遭遇する…

もっとモチベーションを上げて頑張れ秀斗…!