【２２年・鮭鱒漁、１航海目】！

5月6日花咲港を出港した20隻の鮭鱒漁中型船は、

日露漁業境界線のチェックポイントを経て

「1区」 カムチャツカ沖に向け北上！

出港後の海況悪化が予想されていましたが、 船出は凪良く‥。

4昼夜の航走中、出港2日目は雨が雪に変わり、

寒さが日本を離れた事を実感させる！

船内のどこにいても寒く、 全速航走中の機関室内温でさえ18℃‥

海水温は－1.5℃… （サンマ漁時の冷水より低い…。）

3日目には時化ましたが、大きな崩れにはならず、

順調な沖出し航海！

4日目の操業準備の際、甲板上の手すりには着氷…

ここ数年より約10日程早い出港‥

こんなにも寒さが違うのかカムチャツカ‥！

10日19時、ポジション N56°08'0.E168°45'5.付近から

Co270°で凪良く初網投網開始！

海水温は＋1.5～1.9℃、11日朝7時より揚網開始。

中1年開いた鮭鱒漁… そして「源榮丸」の甲板…

ついに働き馴れたリンク（甲板）での操業である

冷たい空気に筵の香りと鮭の匂い、

北緯50度以北での北洋鮭鱒漁！

久々に仲間達と時を共に出来る場所…

足元に気を使いながらも無事に初網を終えて、

とりあえず一安心も揚後はアイシングでケアをしっかりと‥

操業3回目の揚網時、急遽時化となり風雪まじりの船上…！

2℃以下の海水シャワーで合羽越しに体が凍える…。

北洋からの早速の洗礼で耳と頬は早々と「しもやけ」…

5回目6回目の揚網後、付近に船が見えた…

同じ母港八戸船籍の僚船である‥

７回目の投網前は最高の凪で、

薄暗くなった海上を併走中だった2隻が互いに針路を変え

船尾のシャワーポンプを起動させ、ラジオブイを投下、

海面に映る月光と船の灯りが航跡で散らばっていく‥

すぐそばから共に投網開始、

僚船はCo90°西へ、 我々はCo270°東へと…

シャッターチャンスを逃し、

印象的な海上での様子を

モニター越しに観せられないのが残念なほど

美しく迫力ある光景でした。

5月17日朝9時、7回目の揚網中、

ロシア沿岸警備挺「704」アルガオから停船命令！

そして臨検されるも約2時間程で無事終わり。

操業10回程までは漁は皆無‥

鮭の掛かりが悪く、

私にとっては 体馴らしにもってこいで助かりましたが…

5月20日朝より指揮船「第8光洋丸」から臨検！

ロシアのオブザーバー監督官が乗船、10回目の揚網立ち会い。

その10回目以降、いよいよ鮭の回遊が活発になって

次第に漁獲も上向いてきましたが

例年に比べると漁模様は低調に推移…

5月の末に2～3回まとまった漁獲があり、

いよいよかと思ったのも束の間、

毎日のように水色も潮も変わり、再度漁が途切れて…

6月に入ると一気に海水温が5℃～6℃台まで上昇！

霧の日も例年よりかなり少なく、気温も上がりました。

青空と日差しに、風の無い凪の良い日は暑いくらい‥

甲板上のスピーカーからは演歌が流れ、

作業の合間には取り留めのない会話で笑顔がつながる。

17人の団体生活、

操業は和が輪になり 船上での連携がスムーズに機能する！

連続操業も20回を過ぎると

船内にはメントール系の匂いがし始める‥

各自、消炎鎮痛剤や湿布薬のお世話に…

各船が移動を繰り返す中、大群回遊を待って

同じポジションでの連続操業も ついに24回目の揚網後、移動！

南西側へ約60哩程移動した海域での操業が当たり、

低調だった漁模様が一転！

そこで4回、計29回の連続操業で帰途航に…。

その29回目の操業は朝6時30分の揚網開始から

揚網終わりが22時30分、

その後の処理を含め 朝8時まで25時間超…！

（獲にもよるが普段の揚網は約12～13時間程）

（投網は約4時間程）ハードだった1航海目の最終回を終え、

帰途航の当直間は爆睡。

いくらでも眠れそうだが 当直前、寝台から起き上がろうとすると

あちこちが筋肉痛、みんなも同じよう。。。

相変わらず鮭鱒漁はキツい‥しかも年々…！

それでも1航海目の操業を無事に乗り越えられた事が

自分にとっては嬉しく思える。

足にはまだ違和感が残るがどうやら大丈夫そう‥

乗組員仲間もみんな元気!!

6月13日11時頃に釧路入港し、

水揚げ後、明日の昼頃沖出し予定です。