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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

「頑張れ 歌津丸」

2011年09月12日 | 私事
宮城、岩手、三陸沿岸、南三陸近隣地域の

ニュースや記事、コラム、

地震情報や便りなど、仕事後には

可能な限りネットで拾い、

故郷の情報をチェックしています!

そんな中、目にした マイベスト.プロのサイト

宮城県仙台市の印刷会社のコラムに

http://mbp-miyagi.com/hayashi-printing/column/

「歌津地区の青年漁師に船を~」 というのがありました。

実は宮城県漁連南三陸支所

歌津地区養殖組合長は私の友であり、

被災後、地区の養殖漁業復旧に向けて

若手を牽引し頑張っています。

全ての養殖棚、漁具、施設、船、自宅、車…

多くのものを失いながらも、瓦礫撤去作業の休日を利用し、

中古船情報を頼りに遠州灘等に足を運んだりと

奮走していました。

…微力ながら協力したく、

20年程前に同じ船で働いた秋田県の知人に連絡…

数隻の中古船があるとの事で、7月中旬、

その友達と二人で日本海へ!

なんとか3隻の船を譲り受ける事が出来るメドがつき、

日本海沿岸沿いを南下、

山形県の知人にも協力をお願いして来ました。

我が家の船も大津波に浚われ流失し、行方不明…

私が中1の時に進水し、海で働くきっかけとなった

愛着のある船でしたので無念である…

が、ほぼ年間を通じて沿岸の海で働く

養殖漁師の方々は直接の商売道具…!

船がなければ仕事にならない…。

復旧、再開にはどうしても船が必要です。

集落の浜の船数隻は、その後いろんな場所で見つかりました、

こんな所に…?

というような想像も出来ない場所に流れ着いたり、

福島の海岸まで流れて行き、

船は無事だというが引き取りに行けない…

という話も聞こえてきました…

すでに岩手の各漁協は中古船収集、確保に

敏速に行動していました!

集落内でも、早くから養殖漁業再開に向けて

いち早く行動していた方々もいたようですが

歌津地区の養殖漁業青年漁師達は、

ダメージとショックが大きかったようで

今後の養殖漁業再開には迷いがあり、

なかなか、一歩を踏み出せないでいたという事です…

今は立ち直り、再開に向けて動き始めたよう…!

昨日11日、震災から半年目の朝は、

北海道の噴火湾から譲り受けた養殖船を若手数人と廻航、

八戸沿岸航行中との連絡がありました。

この譲り受けた船は復興養殖船「歌津丸」(仮名) として

養殖漁業再開に挑む

歌津地区沿岸若手漁師達の力となって

共に歩を進めて生きます!

災害でいろんな多くの事を失った中でも

残念な事の一つに、アワビ、ウニ漁(開口)に

親しみ始めた地区の将来を担う小・中学生達が

津波のトラウマで海から離れて行ってしまう事…

…津波は残酷である…。

が 海は、海で働く者に試練も恩恵も与える!

この大津波を機会にいろんな漁業体系を見直す事

(獲り過ぎない、過剰に流通させ過ぎない などの管理) が

今後の漁師達に更なる恩恵を与えてくれるのでは…!

今、被災した故郷に思いを馳せ、考えながら働いています。

頑張れ 被災地!

頑張れ 歌津丸!

お願いします 野田日本丸!