【サンマ漁８航海目】！

花咲港を１１時２０分に出港し、１４時３０分スタンバイ。

南南西の風で、ややうねりが残る海上を東へ‥

翼を広げた鳥のように集魚灯を出したサンマ漁船、

風とうねりを横から受けての航走は大きなローリングを伴う…

まるで弥次郎兵衛のように右へ左へ傾きながら‥

昨年導入した「LED漁灯」。

怪我で咋シーズンの漁に参加出来なかった私は、

「LED漁灯」の下で働くのが今シーズンから‥

１７回目の作業機会から「LED漁灯」に対して感じた事を少々‥

緑色に見える光は信号機の緑色とは異なり、

青系の緑（実験ではサンマが一番集まる光の波長）らしいです。

画像のようにパネル本体から漏れる光は僅か‥

尚、パネル本体は開発者の苦労が凝縮されている造りである！

仕様は「HAMADE・東和電気」のHPに。

「すずらん」時から比べると光が広がらないぶん作業区は暗く、

要所要所に「LED作業灯」を設置している。

「LED漁灯」が取り付けられている竿は「すずらん」時よりやや高くし、

船の周囲にLEDの光を少しでも広くするように工夫している。

（海中に対しての浸透性は試験操業で実証済み）

濃霧時、すずらんに比べLEDの光は霧に反射しにくいぶん、

海中に届くようです。

「LED漁灯」パネルの光量は段階的に瞬時に変える事ができ、

消灯・点灯時もデジタルという感覚。

今シーズンの漁はまだ本格的とは云えない段階なので、

今後の群れの状況や水温、

水色の違いで気が付いた事はメモしていきます。

２０時、久々に纏まった群れに当たるもニアミス‥

他の船も同じ群れに向かった為、2隻で同群れを操業！

以前の「すずらん」の時は漁労長の操船技術によって

群れは我々の船に集まって来たのが魚探の反応でわかったが、

今回は、魚探の反応は少なく、思った程の漁獲ではなかった…

水温も２０．８℃と高く、

大きな群れではなかったので一概には云えないが、

群れの多くが他船に行った気がした！

また、高い海水温の足の速いサンマを漁獲するのも上手く

操船して見事に漁獲していたのですが…

それだけサンマがまだ広くいなく、水中（海面から中層）にも、

群れが固まっていないという事か？

付近で３回操業して、再度沖よりに調査航走。

今シーズンのサンマ漁、８月が終わり、

薄漁のスタートで各船近年にない調査航走時間‥

調査航走による燃料消費量もかさむ！

その点、「LED漁灯」導入によって

燃料消費量を削減している船はメリット有りですね。

各船共に調査航走に加え、水揚げの為、

内地の港まで行く往復の燃料消費を考えると、

内地各市場への搬送は微妙かもしれない…

当然、流通は滞る！

盛漁期に入って、それが杞憂に終わる事を願うが…

サンマも庶民の魚と呼ばれていますが、

資源でもあると云う事も再確認！

日付けが変わり１時、漁場着。

水温は２０℃台から１６℃台に変わり、サンマの群れは深くなった！

夜明けまで操業して、やや纏まった漁獲、 花咲港まで約12時間…

水揚げには間に合わない…

同海区で漂泊。

９月１日、調査・操業している時間は限られている…。

午後から漁労長による付近の水温調査！

日暮れ前から濃霧となり、南からの湿った風で蒸し暑い船上‥

日没から操業・航走を繰り返し、

操業５回、２１時、南風が強まり、

うねりも高くなって竿を仕舞い帰途！

花咲向け、８時頃の入港予定。