塩害で進行が進んだものと思っていた一部の油圧漁撈機械だが、
今回の長期係留(約7ヶ月)では予想以上に酷く、他船はどうだったのか知り合いの各機関長に聞いてみた…
結果、他船も同じような状態だったようだ…。
しかし、過去にこれ程酷くなった事はない…!
調べてみると
どうやら「異種金属接触腐食」と云う電気化学反応が要因のようだ…。
「アルミハンドブック(改訂7版)」
〔 編集・原版発行:社団法人 日本アルミニウム協会〕より一部抜粋
異種金属の組み合わせについて
下表は海水中の金属の自然電位列の例であるが、
一般的に電位の異なる金属を水等の電解液中で接触させると、
電位の低位にある金属が高位にある金属を浸食することが知られている。
雨水には様々な成分が含まれているので電解液と考えられるが、
例えば、ステンレスとアルミニウムという電位差の大きい金属が雨水に接触すると
アルミニウムの方が腐食する。
ただし、下記のような電位差腐食が発生しない条件がある。
【発生しない条件】
電位列が高位の金属の面積>電位列が低位の金属の面積
従って、面積の非常に小さいステンレスのネジを、
面積の大きなアルミニウムに取り付けた場合、電池作用による局部腐食の問題はない。
サンマ漁船で使用するワイヤーや網等をスムーズに上げ下ろしするための漁撈機械は、
軽量・コンパクト化が進み鉄製の他アルミ製材やステンレス製材が使用されている。
それぞれの製材には勿論、長所短所があり
例えば軽量を要求される機械にはアルミ製材が使われてきたが、
船の大型化によって機械への負荷も大きくなり、強度に劣るために破損が多くなり、
その破損が多い箇所はステンレス製に代わってきている…
内部・可動部・本体と異なる金属
の中でもアルミとステンレスの接触箇所がより腐食が進んでいる…!
この先も毎年、冬から初夏までの長期係留は続くのだ。
なにかしらの対策が必要だな…!