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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

18年鮭鱒漁、回顧!

2006年08月03日 | ブログ

今年は日露鮭鱒交渉が順調に進み

5月13日北海道、花咲港出港の予定でして、

12日には各船にオブザーバーが乗船しました。

我が船には(レゥチェンコ サーシャ氏)45歳が乗船

しかしロシアから入漁許可証が花咲港に届いたのは

5月18日、予定より5日遅れての出港となりました。

出港時には「根室市長」や「新党、大地」の

「鈴木議員」が激励に訪れ見送られての

18年、鮭鱒漁出港でした!

我々が乗船する大型船は1区へ7隻、2区へは8隻と

操業海区が分かれました。「第二源榮丸」は2区からの

操業となり、5月19日深夜から投網、20日から揚網が

始まりましたが、早速、海から大時化の洗礼!!!

大時化でパラ泊中、突然ロープが切断するトラブルや

18_016 25日、朝には

ロシア沿岸警備艇から

停船命令を受け

臨検!(2時間程揚網中断) 

そんな中、28日まで連続9回の操業で2区の漁獲枠を

消化し釧路向け帰航。1航海目の水揚げは

好相場で、次の航海に大きな期待を持てる

順調な滑り出しでした!

5月31日、水揚げ後、1区へ向けて出港。

6月4日から操業開始!

N 57・47、E 169・50、付近を連続17回操業

1区の漁獲枠を消化、帰航となりましたが

22日ペトロの北東沖でロシアの監視船から臨検

監視船(アストロピンコ号)の監督官は

18_007 今年、乗船しているオブザーバーの近所なそうで

再会を喜びささやかな酒宴があった。

6月26日早朝、釧路入港!

18時から13時間かけての水揚げ、

しかし、相場が下がり疲れた体に

いっそうの疲労感が・・・

ここでも水揚げ後、休み無しで即出港!

3区向け、29日深夜から操業開始も

漁が無い!千島列島沿いの3区は海流が早く、

18_062 特に(羅處和島)(松輪島)付近は

潮が悪く、投網した網が

短時間で複雑に流れ、

2本、3本に折れ曲がったり

18_011渦に入り、団子状態になったりと

揚網に時間を要し

1,2航海のような順調な揚網ではなくなり

投網から揚網までの流し時間を

大幅に短縮しなければならなくなり

(流し時間が長いと網が塊り揚がらなくなるので)

操業のサイクルが変わり、揚網は夜間まで

かかるようになりました。

しかも、3区の操業海区は狭く、大型船8隻、

小型船5隻と決められていて、海区内で操業している

船が帰航しないと次の船が海区内に入れないという

理不尽な状況で3区と2区の境界付近で、漂白し、

順番待ちをしなければならない船がでました。

我々は、運良く小型船の帰航が続き10回までは

連続操業できましたが、7月7日、枠を外れなければ

ならなくなり、2区へ移動し休む事になりました。

18_079 その間、(会合)という言い方をしますが

海上で他の船と不足物のやり取りをする

会合を2隻と行いました。

1隻は漁労機械が故障、予備品が無かった船へ

我々の船にある予備品を渡し、もう1隻は

網をスクリューに巻き、潜水作業を

行うのに潜水服が壊れていたという事で貸しました。

その後急遽、先に操業していた大型船1隻が切り揚げ、

帰航する事になり、再度3区へ移動し操業再開!

再開後、連続14回(24回)の操業を経て3区の漁獲枠に達し、

漁を切り揚げ帰航しました。

7月25日釧路入港、水揚げ後八戸へ帰港!

1航海目出港~3航海目水揚げまで70日間

総操業回数50回 総燃料消費量171,6K?

消費潤滑油量360K?

延べ鮭鱒漁所用日数84日間!

18年、鮭鱒漁は、労力から追うと若干、

足りない気がしますが、ここ数年と比較すれば

大漁だったのかもしれません!