blog-atom 2

…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【28航海目】!

2017年12月02日 | モバイル
11月30日朝5時、気仙沼出港!

やや強い北風を船尾に、追い風で微速で南下。

昼過ぎから弱い雨が降り続く塩屋崎沖約50哩…
15時30分S/B。

17時30分頃から操業開始、「霧雨以上雨未満」な感じの
細雨が降り続いている…

次第に北風は弱まり、薄群れを回数操業となった…。

…日付けが変わり、いよいよ暦は後一枚、機関室内の暦を捲り、


各時計を合わせるルーテインを操業の合間に…。

後半戦となったサンマ漁、ここ数年よりはサンマが見えている…

しかし、魚体組成はやはり終盤戦の型である。

2時過ぎからは雨が強まり季節風が吹き荒れた…

朝5時・操業を止め、西よりに1時間程航走し、漂泊。

12月…
終漁が近くなり、各々の予定が目前となってくる…

漁が終わると各々が漁中に考えて予定していた事を、それぞれ始める機会となる!

自身の場合は娘の披露宴の準備だったり…

若人の中には、海技資格取得を目指す人もいる…

本船の若人も一人、その方向に向けて準備している!

サンマ漁を行う大型船は、最近状況が変わり、サンマ漁のみ
約4ヶ月の漁期間で漁期終了となる船が多くなった…

以前は、鮭鱒漁や鮪漁を兼業する船も多く、
我々の若い頃は、海技資格の条件である36ヶ月の乗船履歴は
意外と簡単にクリアできた。

しかし今、サンマ漁に乗船している若人は1シーズン4ヶ月、
9シーズン乗船しなければ乗船履歴がクリア出来ない計算だ…

その間が勉強と修行の時間と云うには
やる気のある若人にとってはある意味長い…

今、船は大型船に限らず後継者不足と云う問題がある…!

特に機関部の若人は、乗船履歴不足が多い!
昔から漁船では機関部が敬遠されがちだった事もあるが
そういう環境を変えていくのが今の我々の世代の役目だと思っている。

本船に限って云えば機関部は「TEAM機関部」として
良く機能していると思う!

それでも、その現状がいつまでも維持継続できるとは限らない…

漁船の乗組員は、その年の漁切り揚げ時に
来期に乗る船を移動する事が普通にあるからだ…

12月1日・16時S/B。
熱交換機の海水配管が腐蝕、今期2度目…
前回は出口側、今回は入口側…
応急処置で凌ぐ。

…一難去ってまた一難…
食糧庫冷凍機が自動停止・高圧上昇…

冷却水関係の配管を取り外し、通水を整えるもダメ…
悪戦苦闘が続く…

良い凪となって17時頃から操業開始。

日没後、時間の経過と共に気温が下がり、風が冷たい!

ライト当直者は完全真冬の防備、厳しい寒さとなった…。

北よりに調査、操業を繰り返しながらも漁獲は伸びない…

20時過ぎから季節風が強まり、雨も降りだした…

21時、操業・調査止め北上帰途航走、気仙沼向け!

2日朝5時30分気仙沼入港。雪が舞っている…
寒い朝…。