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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【海水温と漁】!

2010年04月17日 | 水産関連

暦のページをみると16日・17日は「大潮」満干の差が大きい時期

4月16・17日の2日間、南三陸の我が地区では今シーズン3回目の

「磯藻の開口」となりました。

沿岸の海水温の変化で、磯草類の成長が著しく、我が浜では

今シーズン、昨日が一番採れたようです!

1回目が3月13日~15日の3日間、2回目が4月1日~3日の3日間。

この時期(端午の節句、前後)の朝磯(干潮)は最も大きく引き、

昨日は最高の凪で、いかにも春の磯の風情!

不思議にも磯藻の開口後は天気が崩れる事が多く、

今日の南三陸は冷たい雨が霙に変わり、春とは思えない寒さ・・・

黄色ピンク若葉色など、一足早くを伝える道沿いの

桃花も、開花前のも、驚いているのでは…

そんな中、漁獲枠が残り僅かとなった春漁(イサダ漁)は

漁模様が、週始めの低気圧通過に伴う13日の時化後から

一気に低調となったようで、17日終漁の予定が

今日17日は休漁し、19日・20日と出漁して終漁となるようです!

岩手県の漁模様も低調らしく、本当に「海」・「漁」は解からない…

第一次産業の難しさはこういうところにも表れます。

三陸新報web 4月17日付け記事には

4億円超え間近 イサダ水揚げ(気仙沼市場)

「県沿岸のイサダ漁が終盤に入った。

先月の解禁以降、順調な漁が続き、

早ければ19日にも県内の漁獲枠に達し終漁する見込み。

気仙沼魚市場の総水揚げ額は、

単価高で10年ぶりの4億円超えが見えてきた。

今季の漁場は、唐桑~本吉沖にかけて、

気仙沼から1時間以内という近場。

連日200トン台後半から300トン台の漁が続いた。

多くが1日の漁獲枠を満たしての帰港という。

15日現在、同魚市場の実績は、延べ956隻が6,477トン

(前年同期比2割増)、3億8千万円(同9割増)を水揚げ」。

とあります!

昨年暴落したイサダの浜値が今シーズン好転した背景の一つに

時事ドットコム ★カテゴリ『社会』 ★4月17日付け記事 を参照

オキアミ、素干しでいかが=魚の餌じゃもったいない!

「漁獲されても、ほとんどが養殖魚や釣りの餌に使われてきた

ツノナシオキアミの「素干し」が登場。

東京・築地市場(中央区)でも取引されるようになり、

食材としての需要増に期待が高まっている。

同市場で素干しを扱う卸会社「第一水産」によると、

取引するオキアミは宮城県産。

同県石巻市の水産加工会社「三興」が

今年、大型の乾燥機を導入し量産化を図ったことで、

2月下旬から築地で卸売りされてきた。

日量の取引は2~3トンほどで、卸値は1キロ当たり900円前後。

以前から入荷しているオキアミの煮干しに比べ2倍近くの値段。

第一水産の担当者は、

「煮干しより水分が少ないため保存性が高く、

小エビのような素材感が味わえる」といい、人気は上々だ。

香ばしい風味で、お好み焼きや焼きそばの具、

せんべいの材料などとして、この先需要が伸びそうだ。

小売店では、つくだ煮などの加工品のほか、

素干しがそのままパック売りされることもあるという。

漁期は終盤を迎え、築地市場での卸売りはほぼ終了したが、

仲卸での販売や仕入れた市場外の業者が在庫を持っているため、

しばらく小売店で手に入れることができそう」 とありました!

岩手県南でも「素干し」への加工量が増えているようで

今後の流通に期待したいですね!