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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【さんま漁・22 航海目】!

2014年11月02日 | モバイル
10月31日朝6時・気仙沼入港、即水揚げ!

水揚げの入札前に見本を揚げるのですが、

そこに、見覚えのある方を見つけた…。

今から28年前…

当時21歳の春、初めて母船式サケマス漁船に乗船した時に

一緒に乗船した方で、私の母親とは、小・中学校の同級生だったとの事で

随所で面倒をみていただいた…

秋刀魚漁・鮪延縄漁と3つの漁種の兼業船だったので、

初物ずくしで覚えなければ、慣れなければならない事だらけ…

そういう環境での仕事を教えて下さった方々のおかげで今がある…!

水揚げの切れ間に迷う事なく、挨拶に行った…

驚いたようでしたが、すぐに思い出してもらった…

17年前に船を引退して冷蔵関係の仕事をしているとの事でした。

とてもとても懐かしい面影、元気そうで安心しました…!!

お元気で御活躍して下さい…

…寒かった花咲港での水揚げから一転、気仙沼港では暑かった…

秋刀魚漁の作業環境は、昼と夜・寒と暖、

どちらにも上手く対応しなければ…

…水揚げ・氷の積み込みを終えて11時30分、

漁灯を拡げながら、気仙沼出港!

2週間で5回の水揚げノルマはクリア。

週末の気象が良くないらしく、今回の揚げ出しとなった…

これからの時期は、気象の読みも難しい!

昨年の漁期の終盤のように、突然秋刀魚がいなくなる場合もある…

乗れる時には乗っておく…!

10月の最終日、凪良く三陸沿岸沿いを北上

16時30分・S/B。

日没から北東側へ調査。

久々に最高の凪…

鏡のような海面、時に海はこのような一面も魅せる…!

…しかし、肝心のさんまが見えない… … …

昨日の今日である…

「昨夜のさんまは何処に」…のパターンになってしまった…。

…さんまの反応はあるのですが、さばの反応が付近一帯に拡がって…

さばの混獲を嫌って、さんまの反応だけを追う…

時には、網の足ワイヤーを半分以下に留め、混獲を防いだり…

沼のような海、鏡のような海面に他船の漁り火が反射して

幻想的な夜の景色になる…

見た目通りに画像に残せないのが残念…。

南下しながら、東西に蛇行、泡立つ潮目を横切るように調査していく!

…月が隠れた頃から、若干、さんまが纏まったものの、

夜明けまでに一杯にはならなかった…

夜明けより北東側へ60哩程航走して漂泊。

いよいよ、11月になった…!!

カレンダーをまた1枚めくる…

1日・16時S/B。

雨である…!

南系の風で船内、甲板共に暑くなった…

空調機の調整に機関室に戻ると、薄くなったカレンダー、

暦の上のNovemberが振り子のように揺れる…

昨夜の最高の凪から一転、どしゃ降りの雨に、

うねりが高くなって船はローリングを繰り返す…

日没後の17時から1回操業!

他船は7隻が確認できた…

北よりに調査していき、19時頃から操業再開!

大群操業となり、20時30分頃に終わり。

益々雨は強まり、南東の風が強くなった…。

時化模様の陸中沖より、南下帰途航走、気仙沼向け!

2日朝7時頃の入港予定。