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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【秋刀魚漁・30 航海目】!

2012年11月23日 | モバイル
南の漁場は魚体組成(割合)が良く、漁模様も良くなり、

三陸沿岸沿いから陸中沿岸沿いの漁場は、ほぼジャミ(小)サンマになり、

操業船は僅かとの事です…。

南三陸沿岸の山並みの紅葉も落葉が進み、寒さも冬も確実に一歩一歩近付いて…

そんな季節感を感じながら、20日・14時に大船渡出港後、強い西風の中南下!

17時・金華山灯台が右舷真横。

金華山通過後、風が北西に変わり更に強まった…!

21日・1時S/B 。

前航海の操業ポイントより各船、沖よりにでている…

北に変わって若干風が弱まった2時過ぎ頃から操業開始!

サンマの割合が悪くなり、灯付きも悪く、数回の操業で僅かの漁獲に終わり

夜明けから風上に1時間程の潮昇せ後、漂泊

21日・16時S/B、久々に無風で最高の凪。

日暮れから船の周りを游ぐサンマが見えている…

日没を待って操業開始も、サンマの入りが悪い…

沖よりに調査・操業後、更に沖へ 。

サンマは薄く広くいるようだが灯付きが悪い

各船の漁り火は、調査航走中や操業中でも疎らである…。

操業ポイントの南西側には巻き網船団の灯(航海灯・操業灯)が確認出来る。

22時頃、薄かった群れがかたまり、灯付きも良くなった!

纏まった漁獲を数回、割合の良いサンマを連続操業で漁獲を伸ばしていたが、

フィッシュポンプ(サンマを汲み揚げる漁労機械)

のホースが詰まってしまった…

油圧の出力が一時的に低下、過負荷? により、

電磁弁のリミットスイッチが働いたよう…。

漁模様が好転している時のトラブルにてんてこ舞い…

少し時間を要したが、無事再操業にこぎつけた、しかし…

いつの間にか船が集まり、くの字形の潮境に沿って数隻が至近距離で操業中…!

日付けが変わった頃から南風が吹き始め、

と同時にサンマの灯付きが悪くなった…

漁模様が好転している時に獲らないと…

の典型的なパターン…。

4時過ぎからは雨が降りだした…。

その後夜明けまで回数操業も漁獲を伸ばす事は出来なかった…

夜明けから漂泊…

22日・16時S/B。

風は弱く、若干 下(波)があるものの凪は良い。

17時過ぎから操業開始!

サンマの割合の良い、纏まった漁獲を2回、

早い時間に終わりそうな勢いでしたが、

その後はサンマが見えなくなり、薄群れを回数操業…

船の周りに集まったサンマを追って、青く魚体を光らせてシイラの群れが游ぐ。

さらには、ヨシキリザメもハンティング、風がなく澄んだ水色で、

船から見下ろす天然の水族館…!

凪良く海面に反射するサンマ漁の漁り火…!

飛躍的に普及したLED漁灯の光は各メーカーによって色が異なり、

以前までのサンマ漁では想像もつかないような色彩で

夏祭りのみこしを載せた船のように賑やかに見える。

せっかくの凪が勿体ない程、漁は低調のまま夜明けまで…

1魚艙と半分を残し、漁灯を仕舞い北上。

23日・19時、大船渡入港!