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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【21航海目】!

2018年11月16日 | モバイル
女川向けの帰途航中、東風がうねりを伴い、微速を余儀なく…。
入港前には豪雨も加わった…
女川湾口は、時化ると変なうねりが立つ…
何時も以上に細心の注意をはらっての操船が不可欠なポイントである…!

11月9日・02時30分、女川入港。

水揚げ・氷の積み込み後、気仙沼に廻航して時化休みとなった…。

11時30分、気仙沼入港・投錨。
10日朝7時の出港予定が組まれた…

例によって冷水造りを夕方まで…

いろんな事を考えながら、
メインエンジン音のしない静かなサロンで独り夕食
早めに寝台に入った…

10日朝、揚錨後 7時気仙沼出港。

凪良く沖へ…。

15時S/B。
僚船と共に日没より調査開始!



20時頃から薄群れを数回操業、調査しながら沖へ…!

日付けが変わった頃から西からの季節風が吹き始め
風波が大きくなり時化となった…
3時頃 操業断念、微速で沖へ…。

11日・15時S/B。
季節風は、西から北西に回り更に吹き荒れた!

日没から調査も、サンマが見えない…

吹き荒れる季節風にうねりも高く、操業も厳しい海況の公海上…

外国籍船団も目視できるが操業している船は少ない…

強い季節風による時化海を微速で調査も、操業できる群れには当たらず…

12日・2時過ぎ、操業断念 漂泊…

11時過ぎから漁撈長による水温調査開始。

季節風はかなり弱まったが、うねりはまだ高く微速で…。

向かい風で、船は大きなピッチング(縦揺れ)を繰り返す…。

15時・S/B。

弱まった季節風はいつの間にか南風に変わった…

日没から微速で調査も、南系の風・うねりが共に強まった…

厳しい海況での調査も、結果 操業できる群れには当たらず…!

夜明けより北上、海区移動…。

13日・15時S/B。
南系の風が次第に北からの季節風に変わり
うねりは幾分落ち着いたが
外気温が一気に下がった…!

ついに公海上も冬海だ…!

強い季節風の中、日没から調査。

寒さが厳しくなり、ライト当直者は、ある意味 衣替え…。

操業せずに漂泊中の外国籍船も目視できる…

吹き荒れる季節風、
操船する漁撈長も、甲板で働く我々にも、キツイ時期になってきた!

調査中に向かい風で船首にあたる波が波飛沫となって
船橋の上を越えていく!

横風で外板にあたる波はシャワーのように降り注ぐ!
合羽越しにも冷たい海水シャワーである…

若干纏まった漁獲で夜明けより漂泊。

14日・15時S/B。
時折冷たい雨がパラつく…
まだ季節風が強い…

11月も中旬、一雨ごとに季節は冬へと移行していく…。

日没から調査も、益々季節風は強まった!

数回操業も、操業断念…!
陸よりに航走。

時化続きで、漁撈長の眼は真っ赤…

つくづく大変な職務だと思う…。

15日朝・一旦弱まった北からの季節風は、昼過ぎから北西に回り
風波をたてながら吹き荒れ、船は大きなローリング(横揺れ)を繰り返す!

S/Bせず、帰途航走となった…。

夕刻のピーク時、速力を下げての航走も、復元するのか…?
と思うくらい、傾きが激しかった。

船の復元力は凄いものがある…!

しかし、当直中にその傾きに合わせる姿勢が腰にくる…

船は丈夫だが、乗っている我々の方が弱い…
当直中だけでも相当な疲労感…

夜半から季節風が止み、本土に近くなった事で良い凪となった…。

時化が続いた事で日数も要し、かなり疲れた21航海目…!

船は女川向け中、16日朝5時半頃の入港予定。