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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【新時代の秋刀魚漁船に…】!

2018年02月21日 | モバイル
日刊水産経済新聞
「乗船履歴短縮などを、国交省が海技士不足対策で報告」という記事を見て

国土交通省HP
海事分野の報道・広報による
報道発表資料に一通り目を通してみた!

http://www.mlit.go.jp/common/001221693.pdf

http://www.mlit.go.jp/common/001221692.pdf


http://www.mlit.go.jp/common/001221691.pdf



例えば、サンマ棒受け網漁船は東日本大震災の後、大型化が進みました…!
主機関も1471Kwが主流となり、750Kwが主流だった頃からすると
大きく変わっています。



機関長は4級海技士の有資格者
5級海技士有資格者で一等機関士が出来ます。

が、4級海技士の有資格者であっても「履歴限定解除」と、ならなければ
一等機関士として乗船する事が出来ません!

1471Kwが主流になった現行の秋刀魚漁船では4級海技士合格後
最低12ヶ月間は二等機関士としての乗船となります…




現行の多くの秋刀魚漁船は兼業鮪漁から撤退・鮭鱒漁も出来なくなった現在
秋刀魚漁のみ約4ヶ月間の大型船乗船と云う乗組員は
海技資格を有するまで、36ヶ月の乗船履歴が必要となります!

つまり、若人が秋刀魚漁大型船乗船を志して乗船、
乗船後、漁撈作業の合間に機関部の必要な作業を経験しながら
船舶職員を目指して学んで行くも
海技資格挑戦まで9シーズンを要する。
受験・合格し、いざ有資格者となっても
12ヶ月間、一等機関士(船舶職員)での乗船は
出来ないと云う事なのです…!


志が高く、努力している方々にとっては決して短い時間(期間)ではない!


現在の秋刀魚漁船の現場からの声として
いろいろと提案はありますが、ひとつ早急に提案したいのは、

まず6級海技士受験までの乗船履歴(現行2年以上)
を約2年(20ヶ月以上24ヶ月未満)に短縮し
6級海技士受験資格取得
(6級海技士現有資格者で二等機関士での雇用者は
4級海技資格取得後の履歴限定解除までの期間に算入する

(秋刀魚漁の場合2シーズン「約8ヶ月間」機関部に従事した者)は
4級海技士資格後、履歴限定なしで
一等機関士で乗船出来るようになる制度を要望したい!

現行の制度に対して一番付加し易いと思うのですが…


この先の漁船漁業がどのように変わっていくのかは不透明ですが

乗組員不足・後継者不足に加え、長きに渡り各船機関部員が不足
なにより機関部の乗船履歴不足が顕著…

若人の目に漁船機関部が魅力的に映る環境を整えていくのは
ある意味、各船機関長のもう一つの仕事であると思う…。

制度改革への現場の声を、関係省庁に伝える窓口もあっていい…!