
咸陽博物館蔵の寅の紋の瓦当拓本。
以前所属していた書の会で、わたしが何か賞を頂いたときに、 玉村霽山先生 が お祝いとして下さった貴重な一品。 平成三年の訪中記念と書かれてあるので、おそらく中国で買われて来たもの。
瓦当とは、屋根に取り付ける部材の一つで、その起源は戦国時代まで遡るそうで。
様々な模様や文字で装飾されていて、屋根瓦を固定し軒を守るという機能があり 実用性と芸術性を備えているだけでなく、歴史的な情報も多く含まれているらしく。
書では、この瓦当の拓本を鑑賞したり、臨書したり、という愉しみもあるのでして。 拓本の世界も奥が深く、よく師が話されていたのは、たとえば拓をとる時の気候、 墨、紙、そして何よりも力加減によって、よい拓本とそうでないものとの差は歴然、と。
相手は立体だから、いかに取り残しなく均一にというのは確かにむずかしそう。 墨色がよく、少し盛り上がるくらいに立体的になっている拓本は美しい、そうです。
こちらの作品も、5月24日からの書展で展示いたします。
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