5月24日以来久し振りの多摩森林科学園への訪問です。さすがこの時期花は少なかった。
まず、第1樹林園でヤブレガサ(破傘)が咲いていました。キク科ヤブレガサ属の多年草で花よりも芽吹きの頃のすぼめた傘のような姿で知られています。頭花は約10個の管状花からなり総苞は淡緑白色で5枚の総苞片からなり筒状です。
第2樹林園ではヤハズアジサイ(矢筈紫陽花)が咲き始めていました。矢筈とは矢の末端で弓の弦にあてる部分のこと。葉の先端が二つに分かれることから来ています。分布は紀伊半島、四国、九州でこれは植栽です。
ヤハズアジサイの葉
花は小さな花を多数つけ、装飾花は緑白色のものが少し付きます。この写真で1個咲いているのが装飾花です。
オオバジャノヒゲが樹木の根っ子に
第3樹林園等にオカトラノオが
虫こぶが2種見つかりました。
エゴノネコアシ:エゴノネコアシアブラムシによってエゴノキに形成される虫えいで猫の足に似ているという。最初閉じているが成虫が出るときには先端が小さく裂開します。
シラキメタマフシ:シラキメタマバエによりシラキに形成される虫えいです。
果実では第1樹林園で
ルイヨウボタンの果実
第2樹林園で
サンショウバラの果実:サンショウバラはバラ科・属の落葉小高木で別名ハコネバラ。富士箱根地区に分布し不老山のサンショウバラの丘が有名でここのは植栽です。花は最初赤いが次第に白くなる一日花。葉の形や幹枝には鋭い棘がありサンショウに似ている。果実の棘も目立つ。
シナアブラギリの果実
第1樹林園で
コバノヒノキシダの葉裏に胞子濃が出来ていました。
第2樹林園で
オオイタチシダの葉裏に胞子濃が出来ていました。
コケシノブ科アオホラゴケ属のシダ植物であるウチワゴケですが、前回来た時には乾いていて消えたようだったのが梅雨に入り復活していました。
フサザクラの葉です。今まで花に気を取られて葉をじっくり見たことがなかったのですが、所々伸びて長くなっている鋸歯が面白い葉です。
第3樹林園では
ケンポナシ(玄圃梨)の蕾:クロウメモドキ科ケンポナシ属の落葉高木で果実は梨の味がする。熟した果柄をテンポ(手棒)に見做した名前。花は淡緑色で花期は6~7月。これから咲くようですが高い樹上にしか蕾がないのでうまく撮影できるか?
見返り通りから見たマタタビの葉が白くなって綺麗です。この時期花が咲くのですが遠すぎて撮影できません。
今日出会った昆虫、動物は
第1樹林園でホタルガ:マダラガ科ホタルガ亜科の蛾で6~7月と9月に出現し日中に飛び低地でも見かける。遠くにいたのでピンボケですが悪しからず。
第3樹林園入り口あたりで多数飛び交っていたムラサキシジミ。翅表の紫色は綺麗です。
釣舟草通りで大きな青大将に出会いました。
第2樹林園で今日もアオバズクが1羽ジッと樹上に止まっていました。子供たちはまだ巣立ちしていないようです。
帰りに寄り道して陵南公園に行きホルトノキの葉裏で面白い昆虫に出会いました。多分キマダラカメムシの羽化したての幼虫だと思います。羽化後しばらくは集団生活をします。幼虫に囲まれた白いものは卵の抜け殻でしょう。なお、ホルトノキの花はまだ堅い蕾(次の写真の左方に見える)です。
以上