9月29日、高尾山登山の(その2)です。
小仏城山頂ではクロホオズキが植栽されており、花と果実を付けていました。ホオズキというよりアサガオのような綺麗な花でした。果実は写真では花の右にあります。クロホオズキ(黒酸漿)はオオセンナリの園芸種です。ナス科オオセンナリ属の1年草で花期は7~9月で果実の袋が黒くなりホオズキに似る。クロホオズキの元となったオオセンナリは南アメリカ原産の帰化植物で果実が緑色。
巻道にはアズマレイジンソウが咲いていました。
日影沢に通じる林道を下り始めると
ススキが日光に映えて綺麗です。
ガマズミの真っ赤な果実が目立ちます。
イヌヤマハッカの群落がありました。シソ科ヤマハッカ属の多年草で花期は9~10月。ヤマハッカとの違いは花でイヌヤマハッカの花の上唇には線状の斑点がない。
一丁平の近辺に咲いていたヤマハッカです。花の上唇には紫色の線状の斑点があります。
あちこちにクサボタンが沢山咲いていました。クサボタン(草牡丹)はキンポウゲ科センニンソウ属の半低木で有毒植物。茎の大部分は冬枯れるが基部だけ木質化して残る。花後花柱が羽毛状になるのが面白い。一丁平の近くにも咲いていました。
日影沢に出ると
セキヤノアキチョウジが沢山咲いていました。
萩原作業道の分岐では伐採地に高い網のフェンスが張り巡らされていました。この工事のため萩原作業道がしばらく通行止めになっていたのです。
フェンスの中にあるオオヒナノウスツボはすっかり果実になっています。
この辺りはツリフネソウやベニバナボロギク、メナモミなどが一面に咲いていました。
ベニバナボロギク
メナモミ(雌菜揉):キク科メナモミ属の1年草で花期は9~10月。コメナモミとよく似ていますが、メナモミの茎の毛は白く長く、コメナモミには毛が少ないのでわかります。
郵便道の入り口あたりまで下ると
河原にウスゲタマブキが咲いていました。以前はもっと上流にあったのですが。ウスゲタマブキ(薄毛珠蕗)はキク科コウモリソウ属の多年草で花期は8~10月。葉の裏に薄っすらと毛があり、名前のタマ(珠)はムカゴ(珠芽・零余子)のことで写真の下方に白いムカゴが見えます。
ジャコウソウも咲いていました。ジャコウソウ(麝香草)はシソ科ジャコウソウ属の多年草で葉や茎には麝香のような香りがするというのですが?
イヌショウマも咲いていました。キンポウゲ科サラシナショウマ属の多年草でサラシナショウマが薬草になるのに対して、役に立たないということで名付けられた。
日影林道入り口あたりにキツリフネが沢山咲いていましたが、ここに来るまでに本来の赤いツリフネソウのほか、白色、桃色、それにこの黄色と4色のツリフネソウを見ることが出来ました。
ヒトツメカギバが止まっていました。カギバガ科・亜科の蛾で開帳30~40mm。綺麗な蛾です。
旧甲州街道の摺差で毎年見るのですが、今年もネナシカズラを見ることが出来ました。ネナシカズラ(根無葛)はヒルガオ科ネナシカズラ属のつる性1年草の寄生植物。発芽直後は地中に根を張りますが、茎をのばして他の植物に触れると寄生根を伸ばして寄生する。寄生根が出ると地中の根は枯れて、以後他の植物(宿主)から水や養分を吸収します。
途中寄り道してアケボノシュスランを撮影しました。ラン科シュスラン属の常緑多年草で花期は8~9月。うまく開花に合わせられたのはラッキーでした。この場所は有名になったのかこの日は4~5人の人達がライトを付けたりして熱心に撮影していました。
最近、高尾山には月に1回ぐらいしか来ていないのですが、今日は種々の花達が咲いていて楽しい山行になりました。
以上