人は止まらず歩き続ける生き物なんですね。
背中の過去は、次から次へとどんどん遠くなる一方だね。
記憶に残る事柄も、いつしか遠い過去となって改めて思い直すこともしなくなる。
歩み行く眼の前には、次から次へと迫り来る事柄が見えている。振り返っている間がないんだろうね。
歩みを止めれば取り残される。生きると云うことは歩き続けるってことなんですね。
解りきったことなのに、時折「ふっ」と、そんなことを思ったりする。
外国の映画を観ていると「思い入れ」の時間ってのが、愛想ないほどないね。
過去の人になるのを拒むように、しがみつき、絡みつき、へばりつき、しつこいほどに、死にそうで死なない日本映画の臨終シーン。
トイレ行って帰ってきても「う~ん、あっはああ~」なんて喘ぎながら「台詞が続いてる」しつこいんだよ~。早よ死ねよ。
外国映画なんか生きて居るものが「明日を創る」 死んだものは「ご苦労さん」 の割り切りが出来ているのかして、即、過去の人になってるよ。
「主張」が生きる証なんだろうね。自己主張を遠慮しない生き方からきてんだろうかね?
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そんなことを考えながら、昔、現南海ビル高島屋下の難波ロキシー(だったかな?今は無い)で観た「ダンディー少佐」を思い出した。
どういう関係があるの? 「べつに、何を考えようが、何を思い出そうが人の勝手でしょ」 そらあ、そうだけど、ちょっと、おかしいで。
「無理に関連性をもたした話から、次に進めるのも都合が良すぎるんじゃないの?」 屁理屈やで。
「まあ、兎に角、今日は、ダンディー少佐なの」
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『 ダンディー少佐 』 チャールトン・ヘストン
1965年だったかね、日本で公開されたのは。史劇の大作がメインのチャールトン・ヘストンが、北軍騎兵隊の制服姿で大看板に踊ってたね。
「格好いいなあ~」って見上げてたね。
「なんで、あっちの奴は、こんなに格好ええのん?」って「こんなのに比べたら日本人はサルだね」って、確信したね。白人コンプレックスだね。
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1864年、南北戦争末期、ニューメキシコ。北軍騎兵隊の一個中隊が、チャリーバに率いられるインディアンの奇襲を受け民間人らと
ともども虐殺される。逆さ吊りの火あぶりで瀕死の隊員に向って「俺がチャリーバだっ」って言い捨てて立ち去るシーンに被せて
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ダンディー少佐のマーチが勇壮なテンポで流れる。「タイミングがいいなあ~」って感動してたね。
此の頃は、此の手の勇壮なサウンドトラックは、ミッチーミラー合唱団の十八番だったね。
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ベンリン砦から虐殺現場に向ったエイモス・ダンディー少佐は、三人の白人の子供が連れ去られたことを知る。
子供の救出とチャリーバ討伐には人手がいるが砦には北軍兵士は手薄。そこで、南軍の捕虜から志願者を募る。捕虜の中には、今は敵味方に袂を分かつ
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親友のベンジャミン・タイリーン大尉がいた。ダンディーとは、過去に確執があって決着の場を望んでいるんだね。
最初は協力を拒むタイリーンだったが、20名の部下と、チャリーバ討伐後の決闘を条件に討伐隊に参加する。
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かくして、北軍、南軍の捕虜、民間の志願者からなる混成部隊は、チャリーバ討伐に向うのだった。
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此のタイリーン大尉を演じるのはイギリス俳優のリチャード・ハリスなんだけど、貴族風の伊達男ぶりが極まってるね。
斥候のボッツらの働きで三人の子供達を奪還する。南軍の捕虜一名が、任務放棄して貴重な食料を持って逃亡するが、捕えられて処刑云々で
北軍と南軍が一触即発になったりして道中は、仲間内でも落ち着かない。
途中、タイリーンたちは、丘の上から、南軍の部隊が進軍するのを目撃する。馬を走らせれば味方と合流できる。
部下達は「行きましょうっ」って、タイリーンの命令を待っている。ダンディーが馬を跳ばして走りより「男の約束だ」と制す。
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タイリーンが馬のたずなを引いて「行くぞっ」 「どちらへ?」 「決まってるっ、(チャリーバの居る)メキシコだっ」 男だねぇ~。
アメリカ軍は、国境を侵犯しないことを利用して、チャリーバは、アメリカ領内で暴れてはメキシコへ逃げ込むことを繰り返している。
ダンディーは、リオ・グランデの河を渡河してメキシコ領地へ侵犯してでもチャリーバを追う決意だった。
チャリーバの一族とは激しい銃撃戦を交わすが取り逃がす。2度目は、寝入ったように見せかけ誘い込んで殲滅するんだけど、暗がりに立つ
チャリーバは、喇叭手のライアンの放った銃撃であっさり死んじゃう。長い行軍の結果が、えらいあっけなく終わってしまうので「なんじゃいな?」
と思ったら、実は、インディアンの他に、彼らが遭遇する相手は、メキシコを統治するフランス軍だったんだね。
メキシコの村を訪れた折り、村人がフランス駐屯軍に虐げられているのをダンディーの部隊が救い駐屯軍を追い散らしている。
領土侵犯はフランス軍の知れるところとなっている。
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ドイツ人のテレサと知り合いダンディーが恋に落ちるんだけど、テレサに挨拶するタイリーンの所作がとても粋な格好良さだったね。
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地面に刺し立てたサーベルをダンディーが「タイリーンッ」って怒鳴って放る。片手で受け取り捧げて会釈でニコッっと笑う様がしびれるね。
映画を離れてタイリーン役のリチャード・ハリスの英国紳士流を彷彿とさせるんだね。
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チャリーバを討伐した、今、タイリーンとダンディーの対決が残ってる。二人が対峙して決闘の時がきたね。
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「戦う相手が、こちらに向ってるよ」ボッツの指さす方向にフランス軍の騎馬隊が迫ってる。リオ・グランデの河を渡れば米国の地テキサス。
「テキサスで会おう」決闘をお預けして「国へ帰るぞっ」 「戦闘配置っ」
この戦闘シーンが凄かったね。相手は、フランス軍が誇る槍騎兵。長い槍を持った騎馬隊が対岸のアメリカ側に整列して、渡河させない戦法をとっている。
後方からは、槍騎兵の大群が迫っている。突撃あるのみ。かくして戦いの幕は切って落とされる。
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戦いは壮烈を極め両軍に死傷者が続出する。白兵戦の最中に、敵に軍旗を奪われるが、タイリーンが、此れを取り戻しダンディーに手渡す。
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しかし、その瞬間、タイリーンが被弾する。「もはや、ここまでっ」 さらば、テキサス。
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メキシコ領岸には、背後から迫っていたフランス軍が到着している。「タイリーンッ」 ダンディーの制止する声を背に
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タイリーン大尉は独り馬を駆って敵陣に斬り込んでゆく。
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男が男を意識せずにはおれない最後だったね。わたしは、映画を観ると、いつも「自分が、その立場だったらどうする?」って、考えるの。
わりとしつこく考えるね。で、答えは? 「オレだったら、サーベル振り回してアメリカ領の方へ一目散」だね。「しつこく考えて、それか」
Major Dundee (Suite)
Major Dundee 1965
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