
『特捜部Q』 2017年12月
今日は、どういうことだろうかね? お日さんポカポカ暖かではないかいな。ベランダに出てお日さんに照らされてたら
春の陽気じゃないか、これは結構なことだねえ。お正月の買い出しに出掛けるも良し大掃除するにも打ってつけだよ。有難いことだね。
「あんた、リビングの照明器具の笠を外して埃払ってや」 あいよ。やばいね、此の照明器具は、引っ越し屋さんが取り付けてくれた
んだったね? 説明書あるか? 「クルッと回したら外れるがな」 アホか、そんなもん云われなくても解っとおるわな。
外したら取り付け方が問題なんだよ。「そんなもん、クルッと回したら付くわいな」 おまえがやれ。
「背が届かんから、あんたに云うてんやないかいな」 くそ、この婆。クルッ、簡単に外れるわな。外へ出て笠の中の虫を払い落す。
濡れ雑巾で綺麗に拭いて椅子に上がりクルッと回しても嵌らない。背を伸ばして仰向いてガサゴソ繰り返すけど嵌(はま)らないよ。
なんなんだよっ。笠の受けを器具の出っ張りに引っ掛ける手前でセッティングしてと・・・クルッと回せば・・・嵌らない。
ガサゴソ、ガサゴソ、はあああ~しんどお、嵌らないよ。だから云わんこっちゃないんだよ。此の天井、他所より高いなあ。「せやろ」
無理な姿勢で仰向け作業はね、そんな簡単ではないんだよっ。「何処へやったんかいな?」探してる。早おしてえな、オレは忙しいんだよ。
LEDの円形蛍光灯だから球の交換は忘れるほどもつんだろうね? まだかいな? 「クルッと回してみ、何処へやったかな?」
何度回しても外れて落ちよる、なんやねんっ、このこのっ、ガチッ、あっ、嵌ったわっ。 「せやろ」 ああ~疲れたわ。
『特捜部Q Pからのメッセージ』 2016年デンマーク映画
昨晩、愉しみにしていた刑事ものの 『特捜部Q Pからのメッセージ』を観たよ。特捜部Q3作目なんだけど、なかなか面白い。
丁寧に創って飽きさせないね、地味な刑事もので、主役が特別に強いとかなんてなくて携わる職業に精通した普通の人。
迷宮入りの事件の謎を解き明かす部署に3人の刑事が担当してる。主任の刑事(ニコライ・リー・カース)は長年の地味な仕事と向き合ってる。
此の人は、笑わないんだね。終始、鬱陶しい表情で無口なの。精神的な持病を抱えて常に拳が戦慄いてる。
其処へ配属されたイスラム系の刑事(ファレス・ファレス)、有能な女性刑事の3人が特捜部Qのメンバー。
今回は、早々に事件が発生して捜査に追われつつ謎解きとともに物語が展開する。今回は、誘拐事件の捜査で警察上げての出動となる。
デンマークの役者さんたちは、粒が揃っていて達者なのが多いよ。充分見応えがある。
一作目の 『特捜部Q 檻の中の女』を観た時はスウェーデンの映画と思ってたけど隣国デンマーク制作の映画だったんだね。
デンマークはユトランド半島と多くの島々からなる北欧の国。隣国のスウェーデンとの間にはエーレスンド橋が架かっていて
スウェーデンの首都コペンハーゲンも近い。北欧の季節がどんなものかなんて知らないけど寒い国ってのがイメージにあるね。
映画に出て来る風景も何とはなしに寂しさを漂わしてる風に感じるんだけど、オレの勝手なイメージからかも知らん。たしか、昔、
1965年制作、カーク・ダグラスの『テレマークの要塞』って第二次世界大戦の対ドイツとの原子爆弾の重水製造工場の破壊作戦を描いた
映画があった。舞台は、スウェーデンのお隣ノルウェイの雪山での作戦を描いてたよ。だから、寒いってイメージが濃いんかね?
『特捜部Q Pからのメッセージ』 2016年デンマーク映画 ヤーコブ・オフテブロ(左) ニコライ・リー・カース(右)
ドッタンバッタン暴れて忙しないばかりで息つく間もない情緒など微塵も感じさせない昨今のハリウッド製映画と違って、人の息遣いまで
丁寧に描く筋運びは物語を追い追われつつながらもホッとする間(ま)があるね。其処らに居る人たちって感じが近しいよ。
今、流行りの映画は、おおかた、有り得ない嘘を本当のように描き過ぎて嘘でなくては成り立たない奴ばかりになってしまった。
捜査の応援に若手の刑事(ヤーコブ・オフテブロ)が居るんだけど、目立たないのに存在感があって脇で光ってるね。
ニコライ・リー・カース刑事とともに病院に現れた容疑者を病院駐車場に追うんだけど可哀想に容疑者の手に掛かって殺される。
ちょっと、雰囲気のある役者さんだよ。身代金の受け渡しを失敗して父親も容疑者にハサミで刺されて重傷を負う。
容疑者に誘拐された娘と息子の身代金の受け渡しを指示された父親を刑事たちが列車に同乗して周りで警戒する。
なんでもないシーンなんだけど刑事たちの影の動きがいいね。若手の刑事(ヤーコブ・オフテブロ)の身のこなしが目を引くものを持ってるよ。
此の人は、いい役者になるよ。一般客に身をやつした刑事たちの存在、容疑者からの連絡を待つ父親、車内の緊張感が伝わってくるね。
空からは、ヘリコプターが追い、並行して走る道路からは、刑事(ニコライ・リー・カース)と刑事(ファレス・ファレス)が車を飛ばして追う。
此のシーンは、疾走する列車の内外をカメラが追うんだけどスピード感と緊張感で引き付けられるね。
署内司令部から情報交換、指示等、どれもが臨場感があって息飲んで観てたよ。
『特捜部Q Pからのメッセージ』 若手の刑事(ヤーコブ・オフテブロ)
運ばれた父親の入院する病院に現れた容疑者は、廊下の椅子で待つ妻を病室におびき寄せて首に注射器で薬物を注入するんだけど、
此の奥さんは死んでないね? 「死んでないねって、おまえが観たんだろ?」 全身痙攣して倒れてるところを発見されてたけど
後の始末が不明なんだね? ラストに救われた娘と息子と日差しの当たる外に連れ添って出ていくシーンがあるんだけど、
あれは奥(母親)さんかな? 「奥さんじゃなければ誰やねん?」 背後から撮ってるんだけど背格好は奥さんらしいとは思うんだけど?
あの痙攣はただ事じゃなかったよ? 羽交い絞めされて口塞がれて首筋にブスッと注射されてた。ふつう死ぬで。「栄養剤か?」
もう一つ、不明なのは、容疑者は父親にとどめを刺しに来たのか、奥さん殺しに来たのか目的が定かじゃないんだね?
身代金の受け渡しを失敗して絶望的な結果に終わって奥さんからは責められて刑事(ニコライ・リー・カース)は拳震わせ言葉を失う。
其処へ容疑者から電話が入り 「おまえのせいで子供たちは死ぬ」なんて一方的に宣告されて踏んだり蹴ったりで放心状態。
刑事(ニコライ・リー・カース)は容疑者は病院に居ると直感、他の刑事たちに出入り口の警戒を指示して父親の病室に急行する。
『特捜部Q Pからのメッセージ』
此処で奥さんが痙攣して倒れているのを発見。息も絶え絶えの父親から刑事(ファレス・ファレス)に「や、奴は白衣を着ている」と
聞かされ病室の外に居る刑事(ニコライ・リー・カース)にドア越しに携帯で知らせる。行き違いに刑事(ファレス・ファレス)の
背後の向こう廊下の窓ガラス越しに薄気味笑う容疑者が立っている。驚く刑事(ニコライ・リー・カース)が突っ走る。
あと一息、医療機材の台車を廊下に押し出されて転ぶ。立ち上がって追いかける。しかし、エレベーター前で姿を見失う。何処だっ?
刑事(ヤーコブ・オフテブロ)が非常階段を見下ろすと白衣を翻して男が階段を駆け下りる姿を発見するや駆け下りて追跡する。
刑事(ニコライ・リー・カース)も非常階段を駆け下りる。二人は病院駐車場に駆け下りたが各階に広がる駐車場は広大。
二人は、銃を構えつつ二手に分かれて容疑者の姿を追う。ここで若い刑事(ヤーコブ・オフテブロ)が襲われて殺されるんだね。
『特捜部Q Pからのメッセージ』 ニコライ・リー・カー
刑事(ファレス・ファレス)が駐車場に駆け付けた時には、徐行する車の助手席に乗った刑事(ヤーコブ・オフテブロ)がハンドルに手を
縛られて息絶え絶え首から鮮血噴き出してスロープを下って行くところだった。呆然とする刑事(ファレス・ファレス)の目前で
通りに下り出た車は、突然、走行してきたトラックに激突されて大破する。此ののち、刑事(ニコライ・リー・カース)が行方不明になった。
「神を信じる者を破壊する、わたしは悪魔の使いだよ」って容疑者(ポール・スヴェーレ・ハーゲン)が云うんだね。
彼の記憶の中には、母親が盲信する宗教の虐待によるおどろおどろしい影を曳いて今が在るんだね。もう、過去に何人もの子供たちを殺している。
刑事(ニコライ・リー・カース)は鎖に繋がれ水浸しの床の上で気付いて容疑者と対面する。攫われた子供たちも同じく鎖に繋がれている。
『特捜部Q Pからのメッセージ』 ポール・スヴェーレ・ハーゲン
「おまえは人を助け神を信じているな?」 冷めた目で見下ろし、時折、下卑た笑いをする。「時間の無駄だ、わたしは神は信じていない」
冷めた目で見つめている。 「おまえは生きろ」 そういって男は立ち上がり、水浸しの床に倒れてる男の子の鎖を解いて抱え上げる。
「その子は子供だろっ、待てっ、わたしを殺せっ」 通じてない。川の上か? 海の上か? 水浸しの部屋の中の床の下は暗く深い。
「やめろっ」 床から離れた処に床はない、ドボーンッと放り込む。必死に浮かび上がる男の子の頭を無表情で押し沈める。「や、やめろっ」
『特捜部Q Pからのメッセージ』 ニコライ・リー・カー
床の端っこで女の子が震えている。 「わ、わたしを殺せっ」地団太踏んで諫めるが刑事は後ろ手に繋がれて身動きできない。
浮かび上がる頭を押さえて沈める。押さえ込みながら、「神は救いに来ないのか?」冷めた目で刑事を見ている。「や、や、やめろーっ」
過去に誘拐された兄弟の弟が脱出して生き残っている。ボトルにメモを入れ流したものが偶然に何年か後、発見されて助かった。
繋がれた水浸しの小屋の外の気配は、単調な音が鳴り続けていたことを覚えてる。警察は、時間をかけて、其の音の正体をコンピュータで
解析しつつ、少年に聞かせては照会して探ってる。そして、やがて、探り当ててた音に少年の反応があった。
「海沿いの風力発電塔の羽根の音だ」 警察が動いた。時を同じくして、容疑者が落とした女性の写真から容疑者の姉の居所が解った。
パトカーが突っ走る、警察ヘリが滑空して海沿いを飛ぶ。時間が無い、海を舐めるように滑空して、前方に渡り廊下のような
桟橋に繋がる小屋を発見。時間がない。掌を水中から浮かし出して海の底を見詰めてる。呆然として刑事は声も出ない。
「ヘリを下ろして救出に向かえっ」 司令部の指示が刑事(ファレス・ファレス)に飛ぶ。モニターに映し出された小屋が真下に見える。
『特捜部Q Pからのメッセージ』 ファレス・ファレス
まあ、そんな映画でした。「いつもよりは、ちょっと解るような粗筋だったね」 何処かで切らんと終わられへんがな。
オレに云わせればね、粗筋なんてのはね、コピーではないんだから間違いがあってもいいんだよ。私感が入り過ぎて 「嘘つけやっ」って
期待を裏切っても、然程の問題ではないんだよ。 「それはええ加減やろ?」 ええ加減ってのは、オレの粗筋であって、
実際の映画ではない訳だよ。映画自体は、内容の良し悪し別にして見たまま其のまま裏切らない。
オレは間違って裏切るかも知れない。其れだけのことだよ。気になる人は、自分で確かめる。
他人(ひと)さんはさておき、オレの粗筋を見て、オレだったら、こんなもんだよって納得すると思うよ。「自分で云うとるわ」
難しい解説されてる人のを、よく見かけるけど難しすぎて映画を観るのが邪魔臭くなる場合があるよ。粗筋なんて粗探しと一緒だよ。
さあ、今日は、大晦日、溜まり溜った煩悩をば掃き出して清く美しく生きたいもんだね。
大晦日は「除夜」とも呼ばれており、大晦日の夜から1月1日にかけて鳴らす除夜の鐘は今でもよく知られている。鐘を撞く回数は
人の煩悩の数を示す108回で、寒空の下で響く鐘の音に誰しも一度は耳を傾けたことがあるように、
煩悩を取り去り、正しく清らかな心で新年を迎えることができるようにするものとある。
皆さま、来年も良き年となりますよう祈願して、来たる新年、相変わりませずよろしくお願い申し上げます。