脳腫瘍の夫と共に

2010年4月グリオーマと診断された夫との手探りの日々…

2012-03-05 20:30:17 | 日記 2
息子が乗っていた夫の愛車を廃車することになり、
細々とした荷物をおろした。

もうかなり古い車だが、夫がとても気に入っていて、長い間乗り続けてきた。
何度か買い替えも話題にのぼったのだが、
夫はやはりこの車を手放す気持ちにはなれなかったようだった。
私が乗るには大きすぎて、夫が運転できなくなってからは息子が乗っていた。

今ではあまりみかけない車種なので、
たまに同じ車に出会うとつい夫ではないかと思ってしまう。


夫の運転する車に乗ったのは
娘を東京の病院に送ってくれた時が最後だった。
その翌日、夫は緊急入院し、二度と運転することはできなかった。


この車でいろいろなところへ連れて行ってくれた。
私と娘はいつも後部座席で、のんびりしていればよかった。
どこへ行くのかも、どこで休憩するのかもなぁんにも考えないで、
娘と二人、歌を歌ったり、手遊びなどしていればよかった。
そしてあの東京への道中も……


一つずつ君の痕跡消えてゆくたびに面影色濃さ増して