5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

春寒の漱石

2012-02-14 22:48:48 | ことば
坪内稔典の「季語集」。春の時候の部に「春寒」があって、夏目漱石の随筆『京に着ける夕』が引用してある。 明治40年(1907年)の春寒の日に京都に来て、下鴨神社の糾の森にあった友人の家に泊まった話だが、駅からの遠い路も、「ぜんざい」と書かれた提灯も、友人・正岡子規との思い出も、友人宅の風呂も蒲団も、漱石の印象はただ「寒い」という一点にあるようだ。その一部を抜粋してみよう。 「この淋しい京を、春寒 . . . 本文を読む