質の良い設計とデザインで
人生の潤いを生み出す
暮らしの空間を丁寧に・・・・・。
※数寄屋をモチーフに設計を施した過去事例・(おおらかに暮らしを包み込む数寄屋の家・令和元年末竣工)
庭の存在が、住まいの価値を高めるという事。
庭屋一体という考え方・・・・・・。
※数寄屋をモチーフに設計を施した過去事例・(おおらかに暮らしを包み込む数寄屋の家・令和元年竣工)
外観の雰囲気を最も左右するもの、
それは庭(エクステリア・外構)です。
※軒下テラス・屋外回廊の風情
※軒下テラス・屋外回廊の風情
家づくりにとって、
ある意味で庭とは建物予算を圧迫し、
打合せの時間を必要以上に長引かせる
「厄介者」とされることも多く、
業者のなかには、
顧客が工事を望んでも、
自らの利益が増えることから「庭よりも建物にお金を掛けましょう」。
外構はどこか安価なところにでも・・・・・・。
というトークを展開する
営業マンもいたと聞きます、
全てではないと思いますが。
※玄関から眺める坪庭のある風景
周辺を眺めてみてください。
建築が良く出来上がっていてたとしても
その周辺の構成が不成立だと
どんな風に見えますか?
勿論「価値観」の部分もあります。
程よい程度に融合しつくられた庭と比較して
それらのない殺伐とした景観に、
果たして「心豊かな暮らし」が
望めるのか・・・・・。
それに過去を振り返れば、
名だたる建築物や
居心地のよい著名な旅館等には、
必ずと言っていいほど「素晴らしい庭」が
存在しています。
外から「どう見えるか」だけでなく、
室内にとっても「庭」は効果的です。
※外側にゆとりを生み出す和室からの庭の眺め
※プライベートな畳エリアと個室とをつなぐ外側の風景
植えられた木々は
外部からの視線を遮り、
窓からの美しい景色を作り出し、
建築そのものの価値と暮らしの空間を
より高めてくれます。
※程よくナチュラル感を持つ和モダンのLDKから庭を眺める空間(坪庭は玄関と共有)
例えば毎日の朝食時、
窓から豊かな庭が眺められるのと、
車のお尻しか見えない、
もしくは人目を気にしてカーテンを閉めっぱなし
という状況では、
気持ちに与える「潤い」が
大きく変わりますよね。
※程よくナチュラル感を持つ和モダンのLDKから庭を眺める空間(坪庭は玄関と共有)
そもそも「家庭」という言葉は、
「家」と「庭」で成り立っています。
新芽が膨らみ、春の訪れと共に新緑に色づき、
たくさんの花を咲かせて、
秋の深まりと同時に少しずつ、
裸木の美しい樹形が、
その姿を覗かせていくように。
日本の環境の中で、
四季の移り変わりに寄り添う暮らしは
暮らしの環境として
人の心を・・・感性を「ある意味豊かさより」に育ててくれると思います。
とはいえ可能な限り、
庭の手入れにかかる負担を
軽くすることも重要です。
そのためにも冬囲いが不要で、
自然な樹形そのままで
鑑賞できる樹種を選び、
雑草対策として
グランドカバーとなる灌木や
下草を繁殖させることも考え方の一つ。
群栄美装の設計では、
庭(エクステリア)を必須工事として捉え、
「庭屋一体」の家づくりを
基本コンセプトとしています。
窓を通す開口部緑化率を最大限に
窓に映る豊かな緑や花々は、
本当の意味で心の「ごちそう」だと考えています。
周辺環境を含めた佇まいを観察して、
借景となる庭・山・林があれば
拝借することも。
境に配慮 外観において、
硬い印象が強くなる角(カド)の部分に
多少でも植栽を配置すれば、
見た目が自然と和らぐという風に。
これらは外観の視点から考えても
優しい印象を与え、
美しい街並みにも寄与する価値観。
ランドスケープデザインとして
設計においては、
プランの初期段階から建物と庭の
ゾーニングを同時に行うことが、
本来なら「当たり前」であるべきです。
計画が不確定でも
ある程度の見込みと
暮らしが不幸にならないような
建物のレイアウトを計画的にイメージする手法は大事。
しかし、上で述べたように
どちらかといえば
疎かにされてしまっているのが現状です。
室内と庭の繋がりを大切に考え、
長い時間を過ごす内部スペースと、
そこに続く外部スペースを一つの視点から
構成していくことで間取りに必然性が生まれ、
「外」の存在が、
より「中」の質を高めてくれます。
そして自然な植栽作庭の際、
絶対に忘れてはならないのが、
そこに住む家族の「管理意欲」を確認することです。
積極的に手を加えて楽しもうとする人と、
できるだけ管理が不要な庭を希望する人で、
計画は大きく変わります。
恐らく多数であろう後者の価値観に向けては、
自然な樹形そのままに
鑑賞できる素材を中心に
構成をデザインするべきだと思います。
暮らしは家としての間取りだけではなくて
窓の外側と佇まいとして
外観を意識しつつ
外側の間取りとして庭の持つ意味を
計画の中に・・・・・。
暮らしに対しての価値観を紐解きながら
存在の意味を大切に。
暮らしの空間、
選択と検証の結果に
居心地をゆだねてみませんか?
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建築家 山口哲央
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