奈良県の建築家が日々思う設計事務所の家づくり日記、住まいの設計や住宅設計、注文住宅、注文建築、暮らしの事、収納の事

住宅の設計・リフォーム、暮らしのデザイン提案を家具や生活習慣まで丁寧に考えています。

家の間取りを考える前に間取りの根本的な意識を考えるように、暮らしやすさや生活のしやすさを空間の雰囲気や壁の距離感から立体的に価値を探しながら過ごし方を反映するように付加価値から設計するように

2024年07月15日 | 家 住まい 間取り プラン

家の間取りを考える前に

間取り とは?。

注文住宅や

分譲住宅・建売、

そして売り建ての住宅、

ハウスメーカーの住宅において、

よく間取りという言葉が使われています。

間取り(まどり、英: house plan)は、

主として住宅における

部屋の配置のこと、

およびそれを決めることをいいます。

 

今日では、

間取りという言葉を

平面図または平面計画という意味で

用いることが多くなっています。

 

つまり建築物の設計段階において、

その建築物内部の部屋や

区画の配置を計画する行為もいい、

これは「平面計画」「ゾーニング」とも

呼びます。

 

つまり間取りという言葉は、

計画や設計行為、

そしてその結果としての平面図(プラン)、

をも意味している事が多いです。

 

間取り = 住宅ではないという事。

 

間取り図は住宅情報の本とか

不動産屋さんのチラシとかには

必ず載っているので、

多くの人が

見慣れているものなのだと思います。

 

WEBでは延床面積や建物の階数、

部屋数、玄関の方位といった

条件を入れれば、

敷地の間口や奥行ごとに

いくつもの間取り図が出てくるよう

便利なサイトがいくつもあります。

 

すでに建物の構成の大枠が

決まっている

ハウスメーカーの家や

マンションにおいては、

間取り図はある一定程度の

参考にはなるはずです。

 

だから戸建て住宅を

ゼロから考えて建てようとしている時も、

間取り図をもとに判断したり、

人によっては自分らしい家をと思い、

自ら間取り図を考えようとしたりする人も

中にはいるのだろうと思います。

 

今では間取りの検討が

簡単にできるソフトとかアプリも

存在しています。

※使用に関しては実体的に危険であっても自己責任です。

 

そういう僕自身も

建築士(建築家)としての修業時代は、

設計を間取り(プラン)から

考えていたような時もありましたけど、

建築士(建築家)として独立して

様々な住宅を設計した今だから

理解できるのは間取りから

住宅(建物)考え始めるのも、

間取りだけで住宅(建物)を判断したりするのも、

実際には間違いだろうという事。

 

間取り =設計でもない。

 

どうも間取りというと、

ある形と大きさの平面形の中での、

各部屋の陣取りゲームというか、

パズルのような扱いがされているような気がします。

 

設計はパズルのようなゲームではなく、

むしろゲームのテーマ(構成)や

ルール自体を決めること。

 

各部屋の広さのバランスも良く、

廊下の長さも最適解であり、

そういった合理的な間取りが出来たとしても、

その状態が住まい手にとって住みやすいのか?

暮らしやすいのか?

そこに合理性以外の意味、

こういった暮らしと魅力を持った

過ごし方の出来る場所、

という建物全体としての

大きなテーマや構成の意味が無ければ、

その人や家族(住まい手)にとって

暮らしを考えた魅力的な家にはならないなと。

 

実際、

住まい手さんの理想だけを詰め込んだ家は

暮しと歯車がかみ合わず

暮らし始めると

理想と現実のギャップにより

生活や家事が困難になる

というケースがほとんどなので

そういう意味で間取り以外にも

暮らしや生活環境といった

情報整理は重要です。

勿論価値観から紐解きつつですが。

 

こういった家で

どのような暮らしが生まれるのか?。

それを決めることが設計なのだと思います。

 

寸法という暮らしの空間に関する数値も

参考にしつつも

その家族にとっての

パーソナルスペースという

感覚も設計に反映しつつ。

 

誤解を恐れずに言えば、

「間取り」だけでは

暮らしの趣も状態も

視野が狭くなってしまうという事。

 

大きな構成それ自体が

そのままプランであるような

状態が大切だと考えています。

 

間取り (プラン) は

結果として生じるもの。

 

基本設計時は

構成ルールを見つけることだと

考えています。

 

その構成ルールを導き出す根拠は、

住まい手の価値観や生活観

予算、敷地周辺の環境、

構造形式など。

 

そこに存在が見える

構成ルールの結果として

生じるプランに無理があるなら、

構成ルールの適用の仕方を

微調整するか、

もしくは別の構成ルールを探す。

 

そういったかたちで

いくつもの案を作成し比較検討をして、

提案に絞り込んでいく。

 

プラン(間取り)から設計を

始めることはしません。

 

プランは大きな構成ルールの

結果として生じるものであって、

その逆ではないと

考えているので。

 

間取り からの解放。

ネットで見られる間取り図の多くは、

やたら壁で区切って

空間を細分化している印象があります。

 

例えば1FがLDKだとすれば、

2Fは廊下に面して

2つの子供部屋と主寝室が並んでいて、

ドア一枚だけでそれぞれの個室が

他の空間と完全に縁が切れている、

そんな間取り図が多い気がします。

 

それは、

他人同士が暮らしている

アパートのような感じがして、

家族が暮らす住宅としては

似つかわしくないのではとも

思ってしまいます。

 

むしろ間取り図からは離れて、

そういったところから考え始めるのが

本当の設計だと思います。

 

これから家を建てたいと考えられている方は、

一度間取りからは

解放された方がいいように思います。

 

自分たち家族にとって

どんな家がいいのか、

どんな家にするべきなのか、

漠然としたものでもいいから、

暮らしや生活環境について

そういった自分たちならではの思いから

家づくりを考え始めた方が、

そして後悔のない

価値のある家づくりが

できるのではと思います。

 

そういった住まい手の

漠然とした思いや生活とか、

住む人の心理や

価値観といった目には見えないものを、

寸法と線によってカタチとして整え、

提案する事によって

新しい暮らしが生まれるという

建築家の思考です。

 

心地よい暮らしのイメージを丁寧に。

 

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奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
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