森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

高千穂鉄道

2008-12-06 16:14:10 | 仕事関係

宮崎県北部の日之影町を訪れた。

この隣が高千穂町で、海辺の延岡から高千穂鉄道が延びている。しかし2年前の大水害で鉄道の鉄橋が3カ所流されたうえ、各所で線路も痛んだ。修復には莫大な金がかかるため、とうとう廃線が決まっている。

仕事の合間のわずかにできた時間を割いて、残された線路にたどりついた。
鉄の道は、すでに赤い粉を吹いていたが、まだ残されている。鉄橋もしっかりあった。トンネルの前には草が繁っていたが、そこをかき分けてトンネル内に入る。こんな体験は滅多にできない。

ふと、大昔、廃線になった鉄道とそのトンネルを舞台にした童話を書いたことがあることを思い出した。友人に激賞されたが、結局日の目を見ることはなかったなあ。あの作品が公表されていたら、人生変わったかも……? それはないだろう(笑)。

そういえば高校生の頃は、蒸気機関車を何十台も間近に見ていた。今思えば、あれは廃止直前の集結だったのだが、当時は当たり前のように存在していたのだ。そして、ある日から姿を消した。その経験が書かせたのだろうか。


実は日之影での仕事は、森林鉄道の軌道跡、いわゆるトロッコ道を歩くことであった。風情ある光景をたくさん目にした。高千穂鉄道も、今後線路の撤去が進むだろうが、廃線としての魅力もあるのではないか。