昨夜、月下美人が咲いた。
雨の中、大輪が開き、ムッとする甘い香りをふりまいている。月は見えねど、華やかな花である。夜しか咲かないのに、これほど自己主張の強い花というのは。
月下美人が種子をつくらないことはご存じだろうか。
花は咲いても稔ることはない。不稔性らしい。おそらく日本に持ち込まれた、たった一株の月下美人が、挿し木で増やされ全国に広がったからだとされる。雌雄異性体であり、異株と出会わなければ、受粉しないのだ。
異性のいない、異国の地で、夜だけ花を咲かせる美人は薄命……。
身につまされる、人いる?
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