人生いろは坂

人生は山あり谷あり、そんなしんどい人生だから面白い。あの坂を登りきったら新しい景色が見えてくる。

地球一周の旅から10年(25) オーストラリア連邦(立憲君主制国家)

2015-01-08 06:41:48 | Weblog
 オーストラリアは英国女王の支配下にある。とはいっても今は民主主義の時代、解説によると次のように書かれている。
立憲君主制とは? 憲法に従って君主が政治を行う制度。君主の権力が憲法によって制限されている君主制。近代市民階級の
擡頭により絶対君主制が崩壊し、君主権が議会などの制限をうけることにより成立した国家。

 先のニュージーランドもかつては英国領であり、今はオーストラリアと同じように立憲君主制の国家となっている。
歴史的には同じような道をたどった国家と言えよう。

 さて、私たち夫婦はニュージーランドの長いオーバーラウンドツアーを終え、飛行機で一気にオーストラリアを目指した。
従って今回の地球一周の旅の中では唯一、飛行機で乗り込んだ国であった。空港へ着陸し、すぐさまトパーズ号まで戻り
改めて市内見学等へ出かけた。

 従って、通常なら、かの有名なシェルの形をしたオペラハウスを見ながら入港できたのだが、今回はそれが出来なかった。
滞在したのはシドニーである。多くの人がシドニーが首都だとかメルボルンが首都だと思っている。しかし、シドニーも
メルボルンも首都ではない。何故かシドニーよりもはるかに人口が少ないキャンベルと言う町が首都となっている。

 先のニュージーランドやオーストラリアの人口は、日本と比較すると極めて少ない。特にオーストラリアは大陸と呼ばれる
ほどの国土を有しながら、大半の人は南東の海岸地帯に住んでいる。比較的、気候が安定していて住みよいところのようだ。

 私達が訪れた年の初めの1月も穏やかな気候であった。しかし広い大陸とはいえ全体的に気候は厳しく、人が住めるような
ところは少ない。この国の主要産業は農業であって多くの穀物が海外へ輸出されている。また、牛などの牧畜も盛んで、この
国の牛は日本の畜産技術を取り入れて、日本産に勝るとも劣らないような肉質のものを生産している。

 つい最近のニュースによると今年も異常気象で広範な森林地帯で火事が発生し、貴重な天然資源が失われているようだ。
最もこの大陸では昔から森林火災は当たり前のようで、その季節になると落雷等による自然火災が発生し、それが新しい
植物の再生を促しているとも聞いている。

 元はアボリジニという南太平洋の島々に広く住んでいるポリネシア系住民達の土地であった。ここを発見したイギリス人達が
領有地として入植した歴史がある。特にイギリスの政治犯たちの流刑地として利用されてきた歴史があり、この地の開拓にも
アメリカの開拓史と同じように、原住民との血なまぐさい争いが幾度となく繰り返されてきた。

 シドニーは近代的な街だ。市内にはヨーロッパ調の建築物も少なくない。残されたヨーロッパ風の建築物にはすべて歴史的な
背景があるようだが、私の目には見なれた建築物に見えた。と言うのも南アメリカで見てきたブラジルもアルゼンチンも
そしてチリの建物も歴史的な建造物は全て同じように見えたからだ。

 シドニーは貿易港として発展してきた街である。従って、港には数多くの船が出入りをしており、レンガ造りの倉庫群が
今はショッピングセンターとして活用されている。気温は高いが、からりと乾燥した空気と海の青と空の青がマッチして
とても美しく気持ちが良かった。

 また、入植者たちが作った街らしく、気取ったところがなく道を聞いてもみんな親切に教えてくれる。惜しむらくは私達も
英語が苦手だし、彼らも日本語が話せない。しかし、ある親子ずれなどはシドニーに遊びに来て、これから同じ方へ行くから
一緒に行こうと誘ってくれた。珍しく家内が積極的に片言の英語を駆使しながら話しかけ楽しそうに会話を交わしていた。

 私達の移動手段は全て自分の足だった。バスも、そして見上げればモノレールもあるようだったが、とんだ方向へ行っても
困るばかりなので、先のように聞きながら目的の地まで行く方が気楽だった。実に良く歩いた。やはり知らない土地へ行く時は
健脚でなければならない。

 こうして短い滞在時間をフルに活用して見て歩ける範疇はくまなく歩き、ショッピングはほとんどしなかった。幸いだったのは
トパーズ号が停泊した港近くがテーマパークのようになっていて、時間つぶしには近距離で丁度良かったことである。こうして
語るほどの多くの体験をしたわけではなかったが、トパーズ号は珍しく日の高いうちにシドニーを出立した。

 これまた歴史的な建造物であるハーバーブリッジの下をくぐり、シェル型のオペラハウスを左に眺めながらオーストラリアと
別れた。いよいよこれから最後の寄港地であるパプアニューギニアのラバウルへ向かうことになる。
コメント
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