おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

JR西日本だけの問題か

2009-10-18 20:16:39 | つぶやき
 朝日新聞18日付朝刊社会面。
 JR西日本は、宝塚線(福知山線)脱線事故の調査情報漏洩(ろうえい)など一連の問題を受け、17日「おわびの会」を開いて、被害者に問題の経緯を説明し、謝罪したが、参加者からは、同社の企業体質を問う厳しい声が相次いだ、という。 もともとこの会合は、非公開で行われた。さまざまな被害者感情などの事情があるにせよ、報道陣はその内容や感想など、出席者から聞くしかなかった。そういうやり方がいいのかどうか、社長以下幹部が、説明資料等によって事前・事後にきちんと記者会見をすべきものではないか。 
 JR西の事故被害者に対する説明会は、今回で8回目。同社はそのたびに、「被害者への精いっぱいの対応が最優先」と言い続けてきた。それがすべてまやかしであった。会社組織の自己防衛にしか、幹部の視点がない。
 「これが誠心誠意と言えるのか」「表向きは『精いっぱいの対応』と言いながら、裏では自分たちのことばかり。そんな幹部ではJR西は変わらない」。被害者は失望感を口にしたという。
 これが、「鉄道」という公共事業でなければ、例えば「雪印」のように責任者の辞任にとどまらず、消費者からのNO!などによって、経営が行き詰まっての「倒産」という事態に発展するだろう。国鉄以来の親方日の丸、国鉄一家、天下り体制、官尊民卑、さらに政界癒着(長年の自民党政権下での)・・・。
 「あなたはなぜ社長になったのか」と問われた山崎氏は「企業防衛に考えがいってしまったのは事実としか言いようがない。おわびするしかありません」と答えるのがやっと。「企業防衛」というより、「自己保身」しか頭にない連中が幹部の会社って何?
 かつて、山一証券が倒産したとき、記者会見で、当時の社長が「社員の皆さんには責任がない」といって落涙したことがあった。それをふと思いだした。そういう意識すらない。まさに地に落ちたエリートの惨めな姿。取締役にしがみついていて、もしこの間の不祥事が公にされなかったら、いつまでもその地位にいたにちがいない。
 さらに、「公表前の調査報告書が社内にあって、おかしいと言う社員はいなかったのか」そう追及した男性に対し、山崎正夫前社長は「私の知る限りいなかった。当時の社内はそういう状況でした」と力無く答えた(「嘘」くさい演技だったに違いない)。
 事故当時、社内研修のやり方に、外部から厳しい批判があったが、内部告発すらなく、声を上げる社員はほとんどいなかった。そして全ての責任を死んだ「運転手」のミス等に押しつける、ともみられる言動に終始していた。
 負傷者の家族の女性は「『犠牲者の無念を思うとやるべきではない』と言える人がなぜいないのか。そんな会社は信用できない。今までで一番腹が立つ」と憤りをあらわにした。
 同社をめぐる一連の問題の発覚が、国土交通省の発表だったり、報道だったりした点にも批判が集中。「ずっと言わないつもりだったのか」と質問が飛ぶと、土屋隆一郎副社長は「検察の捜査を通じての指摘を、我々が申し上げるべきかどうか悩んでいた。結果的に後手後手になってしまった」と釈明した。バカ言ってるんじゃない。「悩んでいた」という言葉は、もっと重いもののはずだ。悩み苦しみ、その果てに、自ら生命を絶つ人もいるのに。これほど「軽い」ものだったとは。
 大学生だった長女(当時21)を亡くした参加者は、終了後、「言い訳だけの集会だった。JR側からは、これからの取り組みについての話があったが、本当にできるのか信用できない」と話した。こうなったら、会社それ自体を潰すしかない、と思ってしまう。そして、これまでの政治家の責任はないのか、とも。

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