この間、同僚の送別会で、職場の近くの飲み屋に何人かで出かけました。その店、以前はそれなりの値段で、それなりの料理を出していて、けっこう落ち着いた雰囲気のお店。ちょっとした個室もあって、少人数でゆっくりと飲んだり、食べたり、こみ入った話しをしたりするのに割と便利で、手軽な場所にもあるせいか、時々利用していました。最近は、少しご無沙汰。「送別会」ということもあって、たまには行ったわけです。
その店。なんといまはやりの「270円」店に変わっていました。別のフロアの店も同じように「270円」。たしかにそのビルの側面には、何店舗かが同じく「270円」と、でかでかとした看板がかかっていました。
ま、今までと飲み物も食べ物も変わりなければ安上がりかも、ということで店に入りました。雰囲気は今までと変わらずちょっと安心。
座布団はなくなり、メニューは白黒コピーになり、箸は、エコ箸に、注文は、タッチパネル式に、と安くした分だけ経費節約なのか。従業員も少なくなったようす。
何よりも出て来る料理に、揚げ物が多いこと、多いこと。以前のような、豆腐料理とか魚料理とか、それなりの工夫があった料理が見当たらない(少なくなった)!
その代わりに、脂っこいものが目立ちます。味も落ちてきている・・・。まさか冷凍食品を使用しているわけではなく、ただ「安かろう」「まずかろう」になってしまった、というわけではないと思いますが。店の中は大繁盛のようす。ちょっとその変化についていけないまま、店を後にしました。
最近、「日経ビジネスオンライン」に、「急増する低価格均一料金の裏に人材の空洞化」
という子安 大輔さんのレポートが掲載されていました。
それは、こうした店の現状と課題を分析した内容。そのまとめとして、
飲食店の経営者の多くは近年、優秀な人材を確保するために苦労することをできるだけ避けようとする傾向が強まっています。同時に売り上げ減少に伴い、人件費自体も抑制しようとしています。
その結果、多くの飲食店では、技術や経験の少ないアルバイトスタッフだけでも成り立つことを前提に、提供する料理やサービスを組み立てるようになっています。1つの店舗に社員はたった1人だけで、あとは全員アルバイトというのは、最近の飲食店ではよくある話です。(中略)けれども、若者が生き生きと働ける環境が一向に整わず、そして専門技術や人手を必要としないタイプの飲食店がこのまま増えていったとします。すると、長年にわたって築き上げられてきた日本の飲食店文化は、この先どんどん衰退していってしまうかもしれません。(中略)
顧客の側もただ安いことだけを追い求めるのではなく、お金を支払う価値のあるものに対しては、可能な範囲で「買い支える」という気持ちになってもらえたら、関係者の1人として嬉しく思います。
この記事(まさに当事者の言葉)をどう受け止めたらいいか? 価格破壊(デフレ)が日常的になっている今、ちょっと消費者・需要者の意識を考えさせる記事でした。
その店。なんといまはやりの「270円」店に変わっていました。別のフロアの店も同じように「270円」。たしかにそのビルの側面には、何店舗かが同じく「270円」と、でかでかとした看板がかかっていました。
ま、今までと飲み物も食べ物も変わりなければ安上がりかも、ということで店に入りました。雰囲気は今までと変わらずちょっと安心。
座布団はなくなり、メニューは白黒コピーになり、箸は、エコ箸に、注文は、タッチパネル式に、と安くした分だけ経費節約なのか。従業員も少なくなったようす。
何よりも出て来る料理に、揚げ物が多いこと、多いこと。以前のような、豆腐料理とか魚料理とか、それなりの工夫があった料理が見当たらない(少なくなった)!
その代わりに、脂っこいものが目立ちます。味も落ちてきている・・・。まさか冷凍食品を使用しているわけではなく、ただ「安かろう」「まずかろう」になってしまった、というわけではないと思いますが。店の中は大繁盛のようす。ちょっとその変化についていけないまま、店を後にしました。
最近、「日経ビジネスオンライン」に、「急増する低価格均一料金の裏に人材の空洞化」
という子安 大輔さんのレポートが掲載されていました。
それは、こうした店の現状と課題を分析した内容。そのまとめとして、
飲食店の経営者の多くは近年、優秀な人材を確保するために苦労することをできるだけ避けようとする傾向が強まっています。同時に売り上げ減少に伴い、人件費自体も抑制しようとしています。
その結果、多くの飲食店では、技術や経験の少ないアルバイトスタッフだけでも成り立つことを前提に、提供する料理やサービスを組み立てるようになっています。1つの店舗に社員はたった1人だけで、あとは全員アルバイトというのは、最近の飲食店ではよくある話です。(中略)けれども、若者が生き生きと働ける環境が一向に整わず、そして専門技術や人手を必要としないタイプの飲食店がこのまま増えていったとします。すると、長年にわたって築き上げられてきた日本の飲食店文化は、この先どんどん衰退していってしまうかもしれません。(中略)
顧客の側もただ安いことだけを追い求めるのではなく、お金を支払う価値のあるものに対しては、可能な範囲で「買い支える」という気持ちになってもらえたら、関係者の1人として嬉しく思います。
この記事(まさに当事者の言葉)をどう受け止めたらいいか? 価格破壊(デフレ)が日常的になっている今、ちょっと消費者・需要者の意識を考えさせる記事でした。