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100% pure モノクロの故郷に、百彩の花が咲いて、朝に夕に、日に月に、涼やかな雨風が吹いて、彩り豊かな光景が甦る。

ユートピア。

2022年08月22日 | 百伝。
イギリス人のトーマス・モア(1478年―1535年)によって書かれた思想本「ユートピア(ラテン語)」。

当時の日本は、室町時代末期、応仁の乱から戦国時代の頃。

その頃、早くもトーマス・モアは、この世のどこにもない国という意味であるユートピアを夢見ていたのでしょう。

ユートピアという国は、大西洋の真ん中にあるとします。

王様も貴族も僧侶も居ない身分差もなく理想的な社会を想像したのでしょう。

ユートピアには、貧乏人というものが居ません。

資源物質は、ユートピアの国民の共有財産。

誰もが同じように労働を楽しみます。

金銀財宝、真珠、宝石は玩具扱い、それを欲しがる人もいません。

財宝、金貨銀貨を持たない人ばかりが住んでいるユートピアという国。

しかし、怠惰は罪となります。

労働時間は、1日6時間のみ。

あとは、読書や音楽やら談話などをして1日を過ごします。

心身の健康は大切なものと扱われます。

病気をするのは、ダメ。

信仰の自由は、認められています。

男女は平等であり、戦争を放棄しています。

ユートピア国においては、軍隊の備え、軍隊を絶体に持たないと決めています。

もしも戦争を仕掛けられた場合、外国の傭兵によって国を守るとの事。

今から500年以上昔、トーマス・モアが夢見た理想郷です。

そう、資本主義も共産主義も確立していない500年もの昔。

現在の多くの国々が理想としているような国家の姿を描いているのです。

トーマス・モアなる人物の生涯の終焉は、国王ヘンリー8世によって断罪処刑されてしまいます。

トーマス・モアは、どこにも無い国、ユートピアが存在すれば、世界はどんなに楽しいだろうかと、夢見ていたのでしょう。



桃源郷。

2022年08月22日 | 百伝。
昔、昔、大昔、千年昔、あるいは二千年昔、いつの頃か分からない中国の物語。

現在、桃源郷という言葉は、憂いの無い理想郷という意味合いでに使われています。

昔、中国の武陵という土地に、とある漁師が住んでいました。

ある日の漁の時、舟で川を上っていた所に桃の花が咲き乱れる場所が現れました。

さらに、舟をその奥まで進めていくと、人の身体1つ、やっと抜けられるぐらいの小さな洞窟の洞穴がありました。

その洞穴の中を抜けて潜り抜けて入っていくと、目の前が突如広がりました。

開けた豊かな田畑が広がり、人々は楽しく働いているのです。

漁師は、ここは中国武陵には違いないと思うのですが、どこだろうかと思案していました。

すると、村人が近づいて来ます。

ここに来るまでの一部始終を話しをすると、家に招いてくれて歓迎の宿泊、食事を用意してくれるのでした。

村人たちは優しく、客人として立派な寝室、御馳走まで振る舞ってくれたのです。

集まった村人によれば、村人のご先祖様が、幾百年昔、戦乱を逃れてこの隠れ里に移り住んだとの事。

それ以後は、外界との接触を一切断って暮らしているとの事。

数日間、夢のような美しい里で過ごした漁師が去る際に、ここでの出来事を固く誰にも話さないと口止めをされます。

でも、故郷に戻った漁師は約束を守れません。

あの美しい隠れ里での出来事を話してしまいます。

その話を聞いた役所の人は、さっそく漁師にその美しい里まで案内するようにと命令します。

しかし、どの川、どの道を辿っても隠れ里に通じる洞穴を見つけ出すことが出来ません。

漁師が、帰り道にひそかに付けておいた目印も見つける事も出来なかったのです。

漁師の不思議な体験から、その美しい隠れ里を「桃源郷」と呼ぶようになりました。

そして、人々は、いつまでも今なおも「桃源郷」を探し求めるようになったという物語です。

終り。

昔、昔、大昔から人間の暮らしというのは、戦乱によって平和な生活が壊されていたのでしょう。

戦(いくさ)の無い土地、平和な里の生活を願望している民衆の願望が「桃源郷」。

桃には、何かよい気、兆が実るようです。

続く。➡ユートピアヘ。