しかし先日の相撲を見ても痛感した事ですが
世の中には色んな職業がありますね。
あの両国の土俵の最後に立つ横綱をみなが目指し相撲道を志しますが
闘う事に不向きだという事がそこに入ってみて初めてわかる場合だってありますし
ケガや病気をして断腸の思いで夢をあきらめざるを得ない人だっている。
やむなくついた裏方としての仕事に力を発揮する場合だってあるでしょう。
望めば誰もが会社の長になれるはずもなく
大事なのは社長の下にどれだけの才能ある部下が働いているかですしね。
むしろ二番手のポジションの方が向いてる人だっている。
社会というのは自然に適材適所という事でうまく成立してるんですかね。
それなら肉体の存在しない世界ではお互いに
どう認識しているのだろうかなんて
ふと考えたりします。
その時点でもう 彼はおすもうさん 彼は社長の右腕 彼女は女優さんになどと
将来の娑婆(しゃば)での修行の場が
適材適所に決まっている筈は...ないですよね。。
あの世の事はまだ訪れた事がないのでわかりませんが
実は我々も元はと言えばあの世から訪れているわけですから
オギャーとこの世に生れ落ちた瞬間には
もしかしてまだあの世の記憶は残っていたかも知れませんね。
それが一つ一つこの世の経験を重ねる事によって
その記憶一つ一つを忘れてゆくのかも。

<上間綾乃(うえまあやの) 9月14日発売CDアルバム「ニライカナイ」>
上間綾乃オフィシャルサイト
※ニライカナイ
沖縄県や鹿児島県奄美群島の各地に伝わる他界概念のひとつ。
理想郷の伝承とある。
つまり人は死に肉体を離れニライカナイへ帰ってゆき、
またそこから新たな魂がこの世にやってくる。
その海のかなたにある神の世界を言う。
上間綾乃は沖縄出身の唄者(うたしゃ)。
ちょうど昨年の同じ時期のこの頃に曲の発注を受け
彼女のライブを見た。
三線のきっかけで始まるビート感溢れる沖縄民謡のハリクヤマクやヒヤミカチ節などを
たとえばまるでロッケンロールのジョニー.B.グッドのように
エレキを三線に持ち替えてスウィングしまくる彼女の唄三線の姿と歌声に圧倒された。
どちらかというと一般的には、なごみ系や癒し系という
打ち出しの印象が強かったこれまでの沖縄音楽の中にあって
そのイメージとは少し違う種類の勢いがあった。
大陸的な長い黒髪、目鼻立ちのくっきりした美しい顔立ちで
とーちゃん、かーちゃん おばあー なんて喋り始めると
何だかいきなり肩の力が抜ける。
美しい姉さんからいきなり御近所さんみたいになる。
ところでみなさん、沖縄の人はみんなゴーヤ大好きと思ってないかい?なんて
曲の合間のトークもそんじょそこらのお笑い芸人なんぞは舌を巻いて逃げ出すだろうほどに
知性とユーモアに溢れ、彼女の喋る言葉は何とも言えない間(ま)を持って笑わせてくれる。
実際には上間もまだゴーヤを食べれる程には成長していないらしいが(笑。
昨年の9月に書いた楽曲『ソランジュ』(作詞:康珍化)が
今年の6月にシングルとして先行発売された。
この曲は作詞家の康氏と共に上間本人そしてスタッフ達と
制作時から色んな想いをたくさん重ね合わせて作った。
大袈裟だが新しい命を産み落したような感覚だった。
十月(トツキ)と十日(トウカ)程ではないにしろ
時間をかけて成長し、やっとこの世に出たという感覚を皆で共有した。
アーティストの何かを引き出そうとしていつも自分の仕事にのぞむわけだが
今までを振り返ってみるとどうやら大半は
アーティストによって自分の知らなかった世界を
引き出してもらっていただけのようだ。
剣を抜いて闘おうとしていたのは自分だけで
大半は向こうが一枚うわてだったというわけだ。
もちろん、今回の作品はなおさらだが
上間がそこに居なければ書けなかったのだから。
若い頃はそんな事すらわからない。
だから歳をとるということは、老化も相まってそりゃやるせない時も多いが(笑、
実は大切な事を今度は一つ一つ思い出し理解できるようになるという事なのかも知れない。
民謡..まさしく民(たみ)の謡(うた)であり
先人達の残して来た伝統を受け継ぎ、
そして今生きる時代に生まれる新しい唄も一緒に
歌い継いでいくのだと上間は言う。
昨年の上間のアルバム『唄者』が伝統なら『ニライカナイ』は
挑戦であろうか。それとも融合であろうか。
どちらにしろ、沖縄の唄者という肩書きからまた一歩踏み出した覚悟が
今回のアルバム、そして今の彼女の唄には宿っている。
きっとこの上間綾乃も 自身ではまだ気付かない程の大きな役割を持って
あのニライカナイからやって来たに違いない。
来月には日本全国津々浦々まで流れるNHKの大きな歌番組への出演も決まったようだ。
彼女の歌声は生まれ故郷の沖縄へはもちろん、いや、
もしかしたらその遥か彼方、
今年の夏に自分の役目を終えてひと足先に旅立ってしまった
彼女の大好きだったばあちゃんが居るあのニライカナイへまでも
どうせなら届いてしまえ。
きっと、届くよ ホトトギス。
ちばりよー!
最新音楽ニュース『ナタリー』インタビュー
上間綾乃「ニライカナイ」
世の中には色んな職業がありますね。
あの両国の土俵の最後に立つ横綱をみなが目指し相撲道を志しますが
闘う事に不向きだという事がそこに入ってみて初めてわかる場合だってありますし
ケガや病気をして断腸の思いで夢をあきらめざるを得ない人だっている。
やむなくついた裏方としての仕事に力を発揮する場合だってあるでしょう。
望めば誰もが会社の長になれるはずもなく
大事なのは社長の下にどれだけの才能ある部下が働いているかですしね。
むしろ二番手のポジションの方が向いてる人だっている。
社会というのは自然に適材適所という事でうまく成立してるんですかね。
それなら肉体の存在しない世界ではお互いに
どう認識しているのだろうかなんて
ふと考えたりします。
その時点でもう 彼はおすもうさん 彼は社長の右腕 彼女は女優さんになどと
将来の娑婆(しゃば)での修行の場が
適材適所に決まっている筈は...ないですよね。。
あの世の事はまだ訪れた事がないのでわかりませんが
実は我々も元はと言えばあの世から訪れているわけですから
オギャーとこの世に生れ落ちた瞬間には
もしかしてまだあの世の記憶は残っていたかも知れませんね。
それが一つ一つこの世の経験を重ねる事によって
その記憶一つ一つを忘れてゆくのかも。

<上間綾乃(うえまあやの) 9月14日発売CDアルバム「ニライカナイ」>
上間綾乃オフィシャルサイト
※ニライカナイ
沖縄県や鹿児島県奄美群島の各地に伝わる他界概念のひとつ。
理想郷の伝承とある。
つまり人は死に肉体を離れニライカナイへ帰ってゆき、
またそこから新たな魂がこの世にやってくる。
その海のかなたにある神の世界を言う。
上間綾乃は沖縄出身の唄者(うたしゃ)。
ちょうど昨年の同じ時期のこの頃に曲の発注を受け
彼女のライブを見た。
三線のきっかけで始まるビート感溢れる沖縄民謡のハリクヤマクやヒヤミカチ節などを
たとえばまるでロッケンロールのジョニー.B.グッドのように
エレキを三線に持ち替えてスウィングしまくる彼女の唄三線の姿と歌声に圧倒された。
どちらかというと一般的には、なごみ系や癒し系という
打ち出しの印象が強かったこれまでの沖縄音楽の中にあって
そのイメージとは少し違う種類の勢いがあった。
大陸的な長い黒髪、目鼻立ちのくっきりした美しい顔立ちで
とーちゃん、かーちゃん おばあー なんて喋り始めると
何だかいきなり肩の力が抜ける。
美しい姉さんからいきなり御近所さんみたいになる。
ところでみなさん、沖縄の人はみんなゴーヤ大好きと思ってないかい?なんて
曲の合間のトークもそんじょそこらのお笑い芸人なんぞは舌を巻いて逃げ出すだろうほどに
知性とユーモアに溢れ、彼女の喋る言葉は何とも言えない間(ま)を持って笑わせてくれる。
実際には上間もまだゴーヤを食べれる程には成長していないらしいが(笑。

今年の6月にシングルとして先行発売された。
この曲は作詞家の康氏と共に上間本人そしてスタッフ達と
制作時から色んな想いをたくさん重ね合わせて作った。
大袈裟だが新しい命を産み落したような感覚だった。
十月(トツキ)と十日(トウカ)程ではないにしろ
時間をかけて成長し、やっとこの世に出たという感覚を皆で共有した。
アーティストの何かを引き出そうとしていつも自分の仕事にのぞむわけだが
今までを振り返ってみるとどうやら大半は
アーティストによって自分の知らなかった世界を
引き出してもらっていただけのようだ。
剣を抜いて闘おうとしていたのは自分だけで
大半は向こうが一枚うわてだったというわけだ。
もちろん、今回の作品はなおさらだが
上間がそこに居なければ書けなかったのだから。
若い頃はそんな事すらわからない。
だから歳をとるということは、老化も相まってそりゃやるせない時も多いが(笑、
実は大切な事を今度は一つ一つ思い出し理解できるようになるという事なのかも知れない。
民謡..まさしく民(たみ)の謡(うた)であり
先人達の残して来た伝統を受け継ぎ、
そして今生きる時代に生まれる新しい唄も一緒に
歌い継いでいくのだと上間は言う。
昨年の上間のアルバム『唄者』が伝統なら『ニライカナイ』は
挑戦であろうか。それとも融合であろうか。
どちらにしろ、沖縄の唄者という肩書きからまた一歩踏み出した覚悟が
今回のアルバム、そして今の彼女の唄には宿っている。
きっとこの上間綾乃も 自身ではまだ気付かない程の大きな役割を持って
あのニライカナイからやって来たに違いない。
来月には日本全国津々浦々まで流れるNHKの大きな歌番組への出演も決まったようだ。
彼女の歌声は生まれ故郷の沖縄へはもちろん、いや、
もしかしたらその遥か彼方、
今年の夏に自分の役目を終えてひと足先に旅立ってしまった
彼女の大好きだったばあちゃんが居るあのニライカナイへまでも
どうせなら届いてしまえ。
きっと、届くよ ホトトギス。
ちばりよー!

上間綾乃「ニライカナイ」