紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

病院の付き添い

2004-10-14 17:18:21 | 22・両親のこと
今日は4週間に一度の、母の付き添いで高井戸のY病院にいく日だった。
ほぼ一日がかりなので、大変といえば大変だけど、待ち時間にバラの花をながめながら、散歩したり、中庭の花をながめたり、ずっと読めずにいた本を読んだり、それなりに穏やかな時間なのである。
(携帯なので、あまりよく写真が撮れなかった)

今年2月に亡くなった父が、6年近く前に初めて入院した時も、よく父に付き添って、同じ庭を散歩した。その4年ほど前から父はアルツハイマー型痴呆症と診断され、これからどうなっていくのか不安な頃だった。

6年前の3月から5月まで入院していたが、この庭を父と散歩しながら、俳句を詠んだのを思い出した。こんな俳句をいくつも詠んだが、今日まですっかり忘れていた。

病院のベンチに座り日向ぼこ

この庭も吾が庭もなく春を見る

春朧父の頭にもやかかる

春の闇自在に行き来す現在(いま)と過去

春風に吹かれて父の眼もなごむ

(写真は去年父と一緒に見た最後のさくら)

◆河童師匠の 「金木犀の花」にトラックバック

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
介護 (真蘭)
2004-10-14 22:09:51
何故か何も書けない。自分が介護していた頃のことを思い出して、



でも、紅蓮さんは気負わずとても自然体でいいな~。

優しさにお父さんは包まれて (anikobe)
2004-10-14 23:28:07
お父さんを優しく介護なさる春の日の様子が、句に にじみ出ていますね。



父が倒れて母を土曜日ごとに富田林の病院に連れて行った日のことを思い出しています。その母が急死した日から、父に隠し通した半年の辛さが、介護という言葉に、今も苦しめられるのです。
真蘭さんへ (紅蓮)
2004-10-15 06:07:30
ジタバタ、ドタバタの連続で、とても自然体とはゆかなかったけど、時間のふるいにかけられて、思い出すのは、いいことばかりでいいね。
anikobeさんへ (紅蓮)
2004-10-15 06:16:23
いつもいつも優しくはできなかったけど、俳句を詠もうと思った時は、父も私も、すごく穏やかでいい時間を過ごしていた時ですね。



その後、もっとずっと大変になって、句を詠むことも、詠んだことも忘れちゃってたんですよね。

俳句を思い出した。 (mitaka-kappa)
2004-10-16 20:46:41
「桜紅葉散る風のあり老母病めり」   河童



2年前に亡くなった母を読んだ句です。
河童師匠へ (紅蓮)
2004-10-16 22:55:48
コメントありがとうね。

河童師匠の俳句も、心にしみます。

なんとなく俳句より短歌の方が、私には向いているかなあと思っていたけど、気分的に辛い時には、言葉の後ろを想像してもらう俳句じゃないと、詠めないなあということもありました。





コメントを投稿