ジャガイモを植えつけるスペースを用意しなければならない。狭い菜園だからいつもやりくりに苦心する。ジャガイモは冬ネギの後作にしている。ちょうど冬ネギの“賞味期限”が2月いっぱいだから、そろそろ残りの冬ネギを掘り起こして、そこに植えつける。だからといってすぐに始末するのはもったいない。そう思いながら食べていると、急速にまずくなって、結局は無駄にしてしまう。思い切って処分しなければならない。いずれそうしなければならないのは目に見えている。まだ決心がつかないでいる。
カブはもうじきおしまいだ。そんな状態になってきた。とろけるようなやわらかさがなくなりつつある。トウ立ちの気配を見せて葉にも精彩がなくなって色が褪せてきた。
カブは毎年作る。カブの冬の味は、こんなにうまいものかと気づかせてくれる。そうわかっていながらもいつもタネをまくのを忘れがちだ。カブは冬野菜の中でも目立つ存在ではない。隅っこのほうでいつも小さくなっている感じだ。しかしこれがないと困る。困ることをわかっているのに、いつもタネまきを忘れがちだし、それにわずかしか作らない。いつも後悔ばかりしていた。
この反省から、昨秋は3度に分けてタネをまいた。これだけまけば十分だろうと思えるくらいまいた。多くできた。しかしこんどは残してしまいそうだ。畑をやってわかったことは、作り過ぎてはいけないということだ。足りないくらいに作ったほうがいい。あのうまさをもう少し食べたかったなと悔やむぐらいがちょうどいい。野菜に限らず万事がそのようだ。充足したらあきるだけである。そうだとわかっていてもなかなかできない。ああ、まだまだ修行が足りない。