モロヘイヤを食べた。5月上旬にタネをまき、8月に入るといつでも食べられる状態であったのに見向きもしないまま、夏の終わりのいまごろになって「モロヘイヤでも食べるか」となる。毎年のことである。
夏は葉物が少ない。それを見越してモロヘイヤを作る。作ったはいいけれど、夏野菜が豊富に取れるときは、どうも食べる気がしない。栄養価は高いというが、味が気に食わない。まずくはないが、これはうまいよというものでもない。いつでも収穫できる状態でありながらそれを横目に見てきたのにはそんな訳がある。
ここにきてかわった。夏野菜の収穫が数量ともにガクンと減ってきたいま、モロヘイヤが夏の終わりに菜園にあるとありがたく感じられる。ほかの夏野菜が豊富なときは敬遠し、いまとなってありがたやというのだから、モロヘイヤから勝手なもんだねと嫌味を言われても仕方ない。
かみさんが作るモロヘイヤの食べ方は、ゆでて鰹節と醤油をかけて食べる。たいがいこれである。しかしゆでるのが足りないのかいつも葉っぱが硬い。ぱさぱさとして食感はまるで紙を食べているようだ。もっと軟らかくゆでて粘りが出たほうが好みなのだが、ゆでるのが足りないのではなく、かみさんはやや硬めのほうが好みなのかもしれない。