三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり。

裁判員制度を考える11 費用と労力

2008年11月25日 | 日記

裁判員制度は経費と労力がかかる。
裁判員やその候補者に支払う日当が約20億円、旅費が約12億円で年間32億円、施設整備などの費用は約300億円。
約30万人に調査票を送るなど、裁判所職員の手間も馬鹿にはならないだろう。

「たとえば陪審制の国では、抽選で集めただけの素人に判断させようとするため、おかしな判決にならないよう、さまざまな技術を盛り込んで訴訟法・証拠法が非常に複雑なものとなっています。それくらいなら最初から専門家(裁判官)だけにやらせる方が簡単で、信頼性が高いうえに、費用も手数もかかりません」(西野喜一『裁判員制度の正体』)

司法や裁判への国民の理解を深めるために裁判員制度を導入するというのなら、まずは学校教育で教えるとか、もっと安上がりの方法があるように思う。

たとえば中学生が裁判を傍聴したらどうだろうか。
死刑相当の事件などではなく、交通事故や万引き事件などの軽微な事件がいいと思う。
中学生が聞いていてもわかるような審理の進め方をするよう裁判官、検事、弁護士が努力するだろうし、そうなれば「裁判が身近で分かりやすいもの」となる。
中学校時代に裁判について勉強し、傍聴するようになれば、「国民の司法への理解を深める」ことにつながって一挙両得。
「より国民の理解しやすい裁判を実現する」安上がりで効果的な方法は裁判員制度以外にいろいろあると思う。

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2 コメント

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同意見です。 (けい)
2009-05-14 20:00:13
裁判員制度の費用ってバカにならないですよね。
一般の人の意見が反映したいっていっても実際に反映されるのかものすごく疑問です。
不況なのに仕事休んでまで出たくないですよ。
実際同じ事件の判決に対して専門家はほとんど懲役は同じ年数なのに一般の人ではものすごく差があったみたいですからね。

だいたい裁判員制度にまわす費用があるなら医療費や収入が少ない世帯の減税対策にまわしてほしいくらいですよ。刑事事件なんてほとんどの人が関係ないのなら景気対策をしてほしいなあ。
結局利権主義が横行している制度にしかみえないですね。
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コメントありがとうございます ()
2009-05-15 15:23:37
2007年に安田好弘弁護士がこういう話をされています。
最高裁は裁判員制度を実現しようと、年に十五、六億円の宣伝費をかけていろんなキャンペーンを全国で行っています。「裁判員制度を成功させよう」という横断幕が張られたり、去年と一昨年には各都道府県でタウンミーティングをやりました。タウンミーティングを行う時には、地方紙に全面広告を三回にわたって出しています。裁判員制度のタウンミーティングをしますという事前の記事、当日の記事、そして総括の記事が新聞に載るんです。普通、広告だったら紙面の上に「PR」と書かれているでしょう。それがないんですよ。記事という体裁になっているんですね。下の三分の一には最高裁の宣伝が載っています。その上はタウンミーティングの記事になっている。どういうことかわかりますか。最高裁と電通が組んで、各地方紙にこの広告を出すから、記事を書いてくれと。つまり、最高裁は自分の政策を実現するために新聞の紙面を買い、地方紙は売り渡したわけです。さらには、批判を受けた「教育基本法」改正についてのタウンミーティング以上に、裁判員制度のタウンミーティングではサクラが氾濫していたんです。それほどたくさんのお金をかけ、地方紙を買い取り、サクラを使ってまで実現しなければならないのが裁判員制度です。

そんなにしてまで裁判員制度をやろうというのはどうしてなんでしょうね。
おっしゃるようにもうちょっとましな税金の使い方をしてほしいものです。

先日、裁判員制度についての討論があり、裁判員の候補になったら裁判員をする、という人が結構いました。
徴兵制になっても同じなのかなと。
最初は反対しても、いつの間にか当たり前のことになってしまうんでしょうね。
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