最上川がゆったりと蛇行して流れる景勝の地大江町。昔は舟運で栄えた町です。テレビドラマ「おしん」の撮影地としても有名になりました。その大江町の山の畑でりんご、ぶどうを作る五十嵐さん。果樹農家の後継者です。両親の仕事を手伝ううち、素朴な疑問にぶち当ります。「こんなに農薬を使わなければいけない農業ってなんなんだ。」と。一服してタバコをつけたとき手についた農薬が唇に触れ、ヒリヒリとした刺激を受けたのがきっかけでした。それから農薬を使わないりんご作りに挑戦し、1年目は青森の無農薬りんごの先達、木村農法の指導を受けたものの全滅。2年目は台風と虫の害でこれも全部ジュースに。そして3年目の昨年は、志を無にすまいという大勢の会員の方々に支えられ、30本の木にりんごオーナーがつきました。平行して手がけた「観光ぶどう園」構想も着々と成果をみせ始め、広いぶどう園には大粒のぶどうを主に約30種ものぶどうが育っています。今年はこれも出荷を始めました。とはいっても「農薬は使いたくない」にこだわる五十嵐さんのこと、ぶどうの弱点「ほろける」を克服できず、高級ぶどうとして収穫量を定着させるのは今後の課題となります。
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