死と神秘と夢のボーダーランド -死ぬとき、脳は感じるのか?

2013-03-29 15:28:38 | 日記

ケビィン・ネルソン著   インターシフト刊

本書は臨死体験・空中浮揚・体外離脱・霊的体験といった、当代人気?のジャンルに脳神経学者がチャレンジした本。勿論、こうした体験の多くは地域、人種、わけても文化や宗教に関係しているのは当然のことなのだが。
多くの読者はタイトルの「……ボーダーランド」を「……ボーダーライン」と早とちりして読んだ人も多いのではないか。実は本書は、純粋に医学的(著者は、神経内科医)にアプローチしたもので、かなり野心的な著著である。
「ボーダーランド」がキーワードである。著書では「中間境」と訳されている。意識と無意識、言い換えれば覚睡と昏睡の狭間という意味だ。つまり、脳内の特定野(分野ではない)がそれに関わっていのではないか? というのがメインテーマである。例証はいやというほど載っている。私としては、このアプローチそのものに興味を持って読んだのだが。
こうした経験をした人達は納得できないかもしれないが、なぜ納得できないかは本書の中にある。人間の脳がなぜこうした進化をしたのか、どんな必然性があったのか、不思議だが……。
こうしたことに興味がある人には、読み応えがあるに違いない。
私としては。こんなややこしい目には会いたくない,面倒だ。あっさりと素粒子か分子かわからないが、そこに至って霧散霧消に散りたい。