ハダカの北朝鮮

2013-03-15 15:12:03 | 日記

呉小元 著   新潮新書

たまたま書店の店頭で見かけて買った本。私としてはめずらしく衝動買い。
これまで断片的にあった北朝鮮の社会事情が分かったという意味では、一読に値する。おそらしく階級社会であることはある程度承知していたが、これが40~50段階にも分かれ、それが国民生活全般に徹底しているのには驚いた。
全体的な印象だが、北朝鮮の一般国民が貧しい食糧事情から解放されるのは難しいのではないか。なにしろ、国土も人民も疲弊し過ぎている。そして、情報遮断が酷すぎる。
物足りないのは、北朝鮮の首脳部が北朝鮮をどのような国に主導していきたいのか? なぜあのような先進国の顰蹙を買うような行為に走るのか、その真意は? 国土の再生の道程をどう考えているのか? その本音がが読めないことである。著者の略歴から考えて、無い物強請りなのかも知れないが。
ただ、章の合間にある「北朝鮮Q・A」は蛇足だ。「合コンはありますか」なんて愚問だ。それがあるくらいならば……聞くまでもない。