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大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

京大生が里山体験

2013年11月17日 | 里山風景

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この夏、「震災と里山」について調査にこられた京都大学4年生の大崎さんが、卒業論文を制作するうえで重要となる「里山の生活体験」にやってきました。

そこで、私たちの日常の作業を手伝ってもらうことにしました。今日は干し柿作りとともに、キウイフルーツも収穫しようと思っていたので、早速取り掛かりました。脚立に上り、キウイフルーツをもぎ取っています。


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キウイフルーツは、おかげで短時間で収穫することができ、その後、急激にやってきた寒さで一気に葉が枯れてしまったお多福豆の収穫にも取り掛かることができました。

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この日は、ちょうど干し柿作りの日と重なっており、地域の方々の作業の様子も見学できました。

手作業で、一個一個素早く剥き取る手際良さに、感心して見ていたようです。この剥いた柿を軒下に吊るし、一ヶ月ほど干すと美味しい干し柿ができます。

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そこで、自らも柿のつるし方の体験をしました。

この地方の柿吊るしは、器具は使わず、結び目もつくらず、綿糸一本で一度に20~30個吊す方法です。大崎さんは、一度でマスターし、重力を利用した吊るし方に感心していました。

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今年は、柿の大不作で、一日で作業は終了しましたが、おかげで柿むきに来てくれた地域の方々と、作業終了後に囲炉裏を囲んでの交流(お茶っこ飲み)ができ、お年寄りの方々の話を聞くことができました。

短い一日の里山生活体験でしたが、どうでしたか? 気仙の田舎言葉は理解されたでしょうか? 京都や広島の里山と比べて、厳しい北国の寒さでしたが、囲炉裏を囲む暖かさと、地域の人たちの心の暖かさを感じてくれたようでした。


落ち葉の季節 一年生がやってきた

2013年11月15日 | 小学生の体験学習

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昨日の午後、綾里小の一年生が、つむぎの家の裏山に、落ち葉や木の実拾いにやってきました。

黄色の安全帽をかぶり、手にはビニール袋を持ち、小さな体でカタクリ山に元気良く登って行きました。


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ヤマグリのイガを拾い、食い入るように見つめています。

子どもたちは、どんなものにも興味津々。


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切り株の根元には、フリルの付いたカワラタケが群生していました。

「うわー きれい!」と手にとって観察、興味はつきません。


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「赤い葉っぱだ!」と紅葉したヤマモミジを見つけ、木に登って取ろうとしているようです。


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こちらでは、落ちていた木の枝を拾い、腰を落として「??の、??おばあさん!」とアニメの一場面を演出し、悦に入っている愛らしい姿を見せてくれました。

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大きな手のひらのような形の葉っぱを見つけ、「これなんですか?」と、

「ハリギリという刺のある木の葉っぱだよ!」とその樹のところに案内しました。

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「わー 大きな木」「黄色い葉っぱもある!」と樹を見上げて感嘆の声。

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”行ってはいけないところ”を担任の佐々木先生が説明したのにも関わらず、 冒険好きな子供たちはいつしか忘れて探検を始めたようです。

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初冬のカタクリ山でたっぷり1時間、落ち葉や木の実を拾い、自然と触れ合った子どもたちの集合写真です。

宝物のいっぱい詰まったビニール袋を手に、かわいい笑顔を見せてくれました。

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貴重な授業時間をさいて、子供たちを自然の中に連れ出してくれた担任の先生に感謝し、カタクリ山を下りる子どもたちの後姿を追いながら、”自然大好きになってね”と密かに声援を送りました。


”ホンドテン”の生息確認

2013年11月14日 | 動物

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ホンドテン(イタチ科) 

先日回収したセンサーカメラに、鮮やかな黄色の毛皮の”ホンドテン”が映っていました。

これまで、雪の上の足跡や里山を流れる川の、橋の上に残された糞から、テンがいるのではと思っていましたが、目にしたことはなく、今回ようやく生息が確認できました。


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全身が黄色の冬毛になり、ふさふさとした美しい毛並みです。

ホンドテンは、1931年9月の満州事変以後に、国策として毛皮の生産を奨励した時期があり、その後も高級な毛皮として狙われ、生息数を減らしてきたようです。


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雑食性で、動物質のものはネズミやリス、鳥類、昆虫類、土壌動物など、植物質のものはサルナシ、マタタビ、ヤマブドウの実など何でも食べるそうです。

冬眠せずに、昼夜問わず一年中活動しているようですが、カメラに映ったのはいずれも真夜中でした。

立派な毛並みと黄金の美しい色合いに胸が高鳴り、今後の森林整備や里山再生の取り組みに一段と弾みがつきました。


冬木立に立つオオウバユリ

2013年11月12日 | 草花

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オオウバユリ(ユリ科)

冬枯れの景色の中に凛と立つオオウバユリの咲きがら。

横向きに咲いていた花は結実し、種がこぼれないように上に向きに姿を変えました。果実を数えると18個ありました。

花の時期は人の背丈ほどの高さでしたが、今では見上げるほどに伸びています。Photo_2

オオウバユリのさく果が開いて、裂け目から整然と並んだ種が顔を出しています。種の入った鞘は、風通しの良い格子状の作りで吹き上げる風に、より遠くへと種を運んでもらう仕掛けのようです。


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果実を上から覗くと、一つの実が三つに割れ、かつ一片が2室に分かれ、たくさんの種が詰まっていました。


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根を掘り起こしたオオウバユリ

今春、オオウバユリの鱗茎を掘り起こし試食した折、ヤマユリの鱗茎を思い出し、オオウバユリの秋の鱗茎はさぞかし大きく育っているだろうと思っていましたが、ヤマユリのような大きな鱗茎は見当たりません。でも元株の脇には小さな子株が育っていました。オオウバユリは、花をつけた後はたくさんの種を作り、その後枯れ、地上部だけではなく鱗茎も姿を消すそうです。

オオウバユリの子株は三年ぐらいで花を咲かせるようですが、種からの芽生えは、始めは一枚葉で一年を過ごし、2年目、3年目と葉を増やし、約8年を過ぎた頃に初めて花を咲かせるそうです。そして種を作り、子株を育て、その年に枯れて一生を終える典型的な「一回繁殖型多年草」ということを知りました。

植物もさまざまな生き残りの知恵を駆使しているのですね。


嫌われ者のカマドウマ

2013年11月10日 | 昆虫

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マダラカマドウマ(カマドウマ科)

マダラカマドウマの名前は、古い家のカマド(竈)の周辺でよく見られ、顔がウマ(馬)に似ていて、まだら模様があることから名づけられたそうです。

古い木造建築の母家は隙間だらけで風通しが良く、時々昆虫たちの居場所にもなっています。薄暗くて湿り気あるところを好むマダラカマドウマは、台所や洗面所等によく現れる昆虫でこの地方では「便所コオロギ」と言って忌み嫌っています。便所コオロギ!の呼び名を聞いたときには、不潔で害のある生き物なのかと思い、触れませんでしたが、外トイレによく現れたことからの呼び名で、無害な生き物ということがわかりました。

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成虫でも翅がなく、発達した長い後脚を使って跳躍をして、移動します。口付近には一対のあごひげがあり、体長の3倍もある長い触覚で周辺を探っているそうです。

雑食性でなんでも食べ、木のウロや洞穴などに生息しています。


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コノシタウマ(カマドウマ科)

コノシタウマは、背中に淡褐色の太い条が有り、側面には黒褐色の条が走っていて艶のある体色をしています。バッタやコオロギの仲間ですが不完全変態で、やはり成虫でも翅はありません。

コノシタ(この葉の下)に生息するカマドウマで、森の中に住んでいます。

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寒くなり動きが鈍くなったせいか、コノシタウマが数秒間、手のひらに乗ってくれました。

トゲのある長い脚や後ろ腿のジャンプ力で移動するカマドウマ科の生き物たちは、嫌われ者のようですが雑食性で木の葉や虫の死骸などを食べてくれ、自然の中の掃除屋さんとも言える大切な存在です。害虫の汚名を取り払っていきたいものです。