大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

アザミオオハムシ

2013年10月23日 | 昆虫

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アザミオオハムシ(ハムシ科)

フキの葉の上に、はち切れんばかりの大きなお腹をした昆虫がいました。

体からはみ出した異常な大きさのお腹は、一瞬、バッカクキンにでも犯されたのではと思いましたが、検索すると、卵がお腹に詰まっていて膨れ上がっているアザミオオハムシであることがわかりました。

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葉上で反転させ、腹部を上にしてみると、コロコロとした体を元に戻すのに難儀していました。


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”オオハムシ”とはいっても、体長は一センチほど、羽よりも大きく膨れ上がったお腹にはどれほどの卵が詰まっているのでしょう。

卵で越冬するアザミオオハムシは、寒くなる前に、産卵を済ませ、命をつないでいこうと懸命の様子です。

思い返すと「ギーチギーチ」「カシャカシャ」と賑やかだった秋の虫たちの唄声も、いつしか聞こえなくなりました。冬の訪れを前にそれぞれ越冬への身支度をしているのでしょうか?。


ウラギンヒョウモン

2013年10月22日 | 昆虫

冬の訪れを前に、チョウたちの活動は一段と静かになってきました。

枯れ草と見まごうの中に、ウラギンヒョウモンが翅をいっぱいに広げて日光浴、近づいても飛び立とうとせずに最後の命を振り絞っているようでした。そっと指を差し出すと手に乗ってきましたので、活発に動き回る時期には見られないウラギンヒョウモンを、角度を変えて撮影して見ました。

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裏翅は、銀白色の斑の模様があり、眩しいほど光っていました。

ウラギンヒョウモンは、幼虫で越冬するために、成虫は冬越し出来ません。厳しい寒さを前に、残された命を振り絞って精一杯生きているチョウの姿に、秋の深まりを感じました。


「お茶っこ会」と”かまもち”作り

2013年10月21日 | 地域交流

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今月の「お茶っこ会」は、予定では大荒れの26号の台風日と重なり、延期して先日行いました。

今回は、郷土のおやつの「かまもち作り」と、気軽に「お抹茶を楽しむ」という内容です。

「かまもち」は黒砂糖に味噌とくるみを入れた餡を、小麦粉の皮で”鎌型”に包んで蒸したもので、上手に食べないと中身の餡が飛び出すこともあり、工夫が必要です。そこで今回は固くなりがちな小麦粉だけではなく上新粉を半々に混ぜたものと上新粉だけのかまもちの2種類に挑戦しました。

上の写真は、92歳のとくえさんの指導のもと、上新粉に熱湯を注ぎ、かまもち作りに取り組んでいるところです。


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一方こちらでは、手すきの方々がくるみの中身を出しています。

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さて、かまもちに餡を詰め,鎌型に出来上がったものを蒸している間、お抹茶をいただくことにしました。

作法にとらわれない飲み方で各自お茶をたて、みんなで嗜みました。


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「お薄を回して・・こうしていただくのかな?」、「いいのいいの、作法にこだわらなくて・・」、「お茶は心でたてればいいんだから・・・」と各自が飲みやすい飲み方で頂戴し、和やかなお茶会になりました。


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お薄をいただいたあとは、出来上がったかまもちを食べながら団欒しました。

かまもちは、小麦粉の方がやや色が茶色っぽく、上新粉の方が白く出来上がっていました。お茶は碾茶(抹茶にする前のパリパリした茶葉)を入れて飲みながら、話題は26号の台風のものすごさと、伊豆大島の惨状についてなど、かつて山津波の恐ろしさを経験したとくえさんの話に、この前の大震災を思い出し、常日頃の備えの大切さを実感しながら話が弾んでいました。


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お茶っこ会を終えたあと、囲炉裏を囲んで、次回は何にしようかと話し合っています。

つむぎの家の囲炉裏は、皆さんにとっても懐かしく、心が和むようで、「次は”ゆべし”を作ろう!」ということになりました。前回の”がんづき”、今回の”かまもち”、そして次回の”ゆべし”と地域の伝統的”お菓子”の作り方を先達たちから学べることの楽しさと嬉しさを、”次世代にも伝承していければいいなー”と感じました。


3年生が大豆を収穫しました

2013年10月19日 | 小学生の体験学習

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昨日は、綾里小の3年生24人が6月に植えた大豆の収穫にやってきました。実が熟したものから順次刈取り、この日は最後の収穫です。

まず、ネットを外す前に大豆を観察、サヤが茶色のもの、青々しているもの、実付きのいいもの、背丈の高いものなどざまざまですが、今年はネット掛けによりカメムシの食害からは免れることができました。


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ネットを外し、各自、自分で植えた大豆の収穫を始めました(根元には、6月時に植え付けた際に、各自の名札が付いています)。この日は5・6校時の時間で、西日が眩しく照らしていましたが、楽しそうに収穫していました。


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外したネットを片付けています。

大きなネットを、みんなで小さくたたむ様子はさすが3年生、「こうすればいい!ああすればいい!」と知恵を出し合って仲良く取り組んでいました。

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大豆の収穫や片付けも終わり、学校菜園から下りてきました。ネットを片付けたヨウ君はVサインをして笑顔を見せてくれました。レン君は支柱のパイプを軽々しく持って下りてきました。


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その後は、前もって収穫し、乾燥しておいた大豆の脱粒作業をしました。ゴザの上で、ざるを囲んで一つ一つ大豆を取り出しています。

大豆のサヤは茶色に黒ずんでいて汚い色ですが、サヤを破くと中から緑色をした豆が出てきて「ワーきれい!」とか「楽しい!」との声が響いていました。


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収穫後の感想では、「大豆が大きく育っていて嬉しかった」、「一本の茎に、いっぱい大豆が成っていてよかった」、「収穫した大豆で、今度は豆腐を作りたい」など、全員で水やりをした大豆への思いが溢れていました。

収穫を終えたあと、つむぎの家の代表から、キヌガサタケのスープをご馳走になり、初めて見るキヌガサタケの美しさと、美味しさに皆んな舌鼓をうっていました。

収穫の楽しさと、自然の秋の味覚を堪能した子どもたちは、元気に学校に帰って行きました。


秋の味覚 キヌガサタケ

2013年10月18日 | きのこ

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夏に大量発生したキヌガサタケは、一時姿を見せませんでしたが、秋風と共に再び顔を出しました。

早朝、犬のヤマトと散歩に出ると、裏の土手に真っ白なドレスをまとった人形が陽の光を浴びて自然を謳歌、その清楚な姿に心奪われました。


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夜明けとともに、幼菌が生長し、キノコになったばかりの美しい姿のキヌガサタケです。


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こちらは、グレバの網目模様がはっきりしていて、まだレースのドレスが開ききっていない生長過程のキヌガサタケです。


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これは、ドレスが伸びきっていないキヌガサタケですが、食するには良いタイミングで収穫(キヌガサタケは、幼菌が生長し、短時間でキノコになるために収穫タイミングが難しい)グレバは昆虫たちのために取り外し、白いドレスと柄は食卓へ、「キノコの女王」の味を満喫しました。

キヌガサタケの幼菌は、草に隠れていることが多く、草刈をしなければ草に埋もれて気づかずに見過ごしてしまいます。そこで、幼菌のそばには目印の杭を立てておくのですが、先日、その杭の下を見て驚きました。幼菌の全てが掘り起こされなくなっていました。これまでになかった出来事に、首をかしげましたが、爪痕から犯人はアナグマではないかと思います。これまでは、穴を掘ってミミズを食べるくらいでしたが、味をしめたのでしょう。キノコになる前の幼菌を食べられてしまったら、キヌガサタケの繁殖の機会が奪われてしまいます。

つむぎの家の里山は今、野生の生き物たちが、生息域を広げ里に下りてきています。先頃は、ネットで保護していたはずのソバがシカに食べられ、しばらく気づかずにいて全滅です。これまでの労が一瞬にして消えてしまいました。動物たちとの共存の道は?・・・最大の悩みです。