ケヤマウコギ(ウコギ科)
師走を迎えた今朝、氏神様を参拝し、坂を下る帰り道の山際で黒光りする物が目に入りました。目を凝らすとケヤマウコギの実でした。
何度も行き来した道なのに、これまでどうして目に入らなかったのだろうと見渡すと野原はすっかり冬枯れ、木々は落葉し、周りは見通しがよくなっていました。
ボタンヅルの葉が巻きついたケヤマウコギの実
5~6mmのやや扁平な果実が、球状に集まり黒紫色に輝いていました。一粒口に含むとウコギ科の独特の香りと甘みが強く、完熟していて酸味はほとんどありませんでした。ケヤマウコギの実を果実酒にすると薬効があるようです。
ケヤマウコギの写真を撮っていた足元では、野生のホオズキが間をおいて5本ほど自生していました。栽培ホウズキは、今では萼が脈だけになって透けていますが、野生種はしっかりオレンジ色の萼に包まれ、枯草の中で一際目だっていました。
栽培種のホウズキに比べると野生種は小さめですが、中の実は、はちきれんばかりの大きさでした。遊びに来た子どもたちが栽培ホオズキを美味しいと食べていた時のことを思いだし、一つ口にしてみました。苦みが強くとても食べられません。これぞ昔遊んだホオズキの味、タイムスリップした瞬間でした。
これらの植物の自生地は、荒廃地を2年前に整備したところですが、継続して草刈りなどの手入れが進まず、約1年間野放し状態でした。道のすぐ側とはいえ、鬱蒼とした茂みの中ではケヤマウコギの花もホオズキの花も見ることはできませんでしたが、師走に入り、冬枯れに映えていた草木の実との出会いに心躍りました。