ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

高校生でも、中学生でも

2022-08-31 08:47:12 | 我が国の教育行政と学校の抱える問題

「小中高でも」8月24日
 『就活イベント、サッカー練習… カルト学生勧誘巧妙』という見出しの記事が掲載されました。『世界平和統一家庭連合と政治の関りが問題になる中、カルト団体による勧誘の実態が注目されている。専門家によると相手の不安に漬け込むのが常とう手段(略)さまざまな誘い文句で忍び寄る。その手口とは』ということで、大学で横行しているカルト勧誘の実態を報じる記事です。
 ここでは詳細は触れません。記事では大学が取り上げられていましたが、これは小中高では関係ないと無視してよいことなのか、不安に感じました。いわゆる「宗教2世」は、小中高にも多数在籍しているはずだからです。彼らの中には、保護者の信仰に疑問をもち、悩み苦しんでいる人も多いでしょうが、まだ判断力が未熟なうちに、保護者から教義を刷り込まれ、熱心な信者になり、一人でも多くの信仰仲間を獲得することが使命だと「洗脳」されている者もいると考えるのが自然です。もちろん、保護者の信仰に疑問を感じながらも、逆らうことができず保護者の言いなりに勧誘行為を行う者も無視できません。
 もっとも初歩的な手口として、友達に対し、「うちに遊びにおいでよ」と誘い、訪ねていくと、お菓子を出してくれ、ゲーム機があり、楽しく遊ばせてくれる。そしてまた遊びに誘われ、訪問を繰り返すうちに、教義の話をされたり、教義を漫画風にまとめたものを読まされたり、あるいは教義に関わるアプリをダウンロードさせられたり、そして最終的には集会に一緒に行こうと言われ断れなくなってしまうというようなことは十分に考えられます。このような手口は、小学校の高学年から中高まで、どこで行われていても不思議はありません。
 しかし、こうした認識の下、危機感をもって対策を立てている教委や学校はほとんどないのが現実です。対応の仕方によっては、「宗教2世」の子供を攻撃し、排除することになりかねませんし、そうなれば人権侵害として責められることも考えられます。実際、勧誘を受けた子供の保護者からどうにかしてほしいと言われたとき、任せておいてくださいと言える教員は非常に少ないはずです。
 しかし、今まではともかく、今回旧統一教会の問題が注目を集め、カルト勧誘にも厳しい視線が集まっている以上、小中高の学校や教員が「私たちには関係のないことだと思っていました」と言い訳することは許されないでしょう。都道府県教委レベルで対策委員会を立ち上げ、早急に対応策をまとめるとともに、教員や管理職、区市町村教委幹部を対象に研修を行う必要があります。ことは急を要します。

 

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