イズミル便り

IZMIR'DEN MERHABA

PASTIRMA YAZI (パストゥルマヤズ=小春日和)

2005-12-05 06:48:32 | イズミル暮らし・イズミル案内
 

日曜日、朝起きてカーテンを開けると久しぶりに海が真っ青!即屋上にかけ上がりました。
向こう側に見えるのは、イズミルのカルシュヤカ(対岸という意味)の町並みです。カルシュヤカへは、フェリーで30分あまりのショートトリップ、海風に吹かれながら丘の上までびっしりと連なる家々を眺め、チャイを飲んでいるだけで、身体も心もさっぱり洗われる様な気がします。



今日はカルシュヤカではなく近所をお散歩しました。日曜日は閉まっているお店が多いのでもっぱらウィンドウショッピング。汗ばむほどの暖かい陽気でした。
日本で言う「小春日和」のような日のことをトルコ語では「PASTIRMA YAZI(パストゥルマヤズ=パストゥルマの夏)」と言います。PASTIRMAとは辞書によると「香辛料を使った塩漬けの干し肉」、どうして小春日和のことをこう言うのかというと、夫説によれば「PASTIRMAを干すのに太陽が必要だが、夏の暑さでは臭うので不適、この季節の太陽なら風もあって臭わないのでpastirmaを作るのに適しているから」だそうです。



お散歩の途中、目の前を何かがよぎった、どこかで見たような顔、でも思い出せない…誰だったかなあと立ち止まると10m先でも立ち止まっているカップルが。そして思い出しました。「ああああ!先日のバイラムツアーで一緒だったご夫婦!」住んでいるところは少し遠いのですがうちの近くで奥さんが働いていらっしゃるそうで、今日はご主人がお迎えに来て一緒に帰るところだったそうです。何だか旧知のお友達に会ったように懐かしくて電話番号を交換して再会を約束しました。

5 kurus var mi(5クルシュありますか)? 

2005-12-02 20:45:18 | イズミル暮らし・イズミル案内
トルコでホームレスのような人を見たことはありません。でも物乞いはたくさんいます。道に座り込んで箱を置いているクラシックな物乞い、「アービー(おにいさん)、アッラーがお認めになるようパン代をくださいよ」と言う若い男、こういう人は大抵もらったお金はお酒に化けるらしいので夫は「じゃあ一緒にパン屋へ行ってパンを買おう」と言うと去っていきます。物乞いと言えるのかかどうかわかりませんが、ティッシュを売る人、バラの花を売って占いをしようと言うおばちゃん、夫も大抵は無視するか「いらないありがとう」と言って通り過ぎてしまいますが、「いらない」と言われて素直に引き下がるお年寄りには弱いらしく、わざわざかけ戻って買ったりしています。

先日は、友達の店に座ってお喋りをしていたらドアを開けて写真付の身分証明書のようなものを見せながら中年男性が入ってきて「今日刑務所から出てきたんだけど、全くお金を持っていないので少しくれないか」と言いました。私は内心「あげるな、あげるな、いいおっさん、日雇い仕事でも何でもして稼げよー」と思っていましたが、友達は面倒だと思ったのか「少しだけど」と言って1YTL(80円ほど)を渡していました。手にしていたのは刑務所出所証明だったのでしょうか?トルコ人必携の身分証明書とは違うものでした。

そんな中での変わり種は「ベシクルシュヴァルム、ベシクルシュ?」と言いながら我が家の前の通りにある店舗をほぼ毎日巡回してくる少年。年の頃は15・6歳、少し知的障害があるようで、話しながらアイコンタクトをとることや、それ以外の言葉を話すことはあまりできないようです。最初に見たときは物乞い?怪しい人?と警戒していましたが、夫は、毎日5クルシュを用意して待っています。5クルシュと言えば日本円にして4円ほど。その微妙な金額が、功を奏すのか多くの商店主達にとって少年の訪れは日課になってしまったようです。通りを歩いている時は常に集った5クルシュ硬貨を声に出しながら数えています。夫が時々「いくつ集った?」と聞くと「184個」などと結構な収穫のよう。この辺だけを歩いているのかと思ったら、いつぞやは別の地区を巡回中、夫に気がついたのか顔を見ると「ベシクルシュヴァルム?」と声をかけてきました。夫も「さっき店であげたじゃないかあ。明日店においで」と言うとそれ以上は固執せず歩き始めます。また別の日には地下鉄で2駅ほどの距離の繁華街でも商売中(?)の彼を見かけました。驚くほど守備範囲は広いようです。
2・3日前夫がしばらくベシクルシュチュ(こう呼んでいる=ベシクルシュ屋)を見かけなかったんだけど、今日来たから「どうしてたんだ?」と聞いたら「tatilに行ってた、tatil」と答えが返ってきたそうです。tatil(ターティル)とは休暇、ヴァカンスのような意味があります。こつこつと貯めた5クルシュ硬貨でどこへtatilに行ったのでしょう。ちょっと聞いてみたい気がします。

※写真は本文とは全く関係ないし、見えにくいかもしれませんが、夫が書いたもの。お昼休みに戻ってくる夫用に昼食を用意して私が出かけた日のこと、戻ってくるとこの書置きがありました。日本語はほとんど知らないと言える夫、辞書を見ながら模写(?)したそうです。「たいした腕前だね」と言うのは、辞書によるとellerine saglik=食事などを作った人に言う言葉(あなたの手が健康であります様に、と言うような意味があります)の日本語訳だそうです。