イズミル便り

IZMIR'DEN MERHABA

表参道

2007-10-27 23:12:44 | 日本里帰り


日本で働いていた年月の半分以上は私の勤めていた会社のオフィスは東京の青山にありました。だから特に表参道は思い出深い土地なのです。入社以来、青山通り沿いのお店は総とっかえと言った感じで変わってしまったし、青山を離れてからあの同潤会アパートは取り壊され、今や表参道もブランドのお店が立ち並ぶ味気ない街になってしまいましたが、それでもやっぱり欅並木を見ると帰ってきたという気持ちになります。懐かしい思い出が次から次へと心に浮かんできます。春のお花見は青山墓地でお墓の間に座らせてもらって宴会をしたり、4月8日の潅仏会には近くの善光寺の分院で花で飾られたお釈迦様に甘茶をかけたり、秋には隣の外苑前までお昼休みの1時間の間にすっ飛んで行って絵画館前の銀杏並木をぜーぜー言いながら歩いたり、冬には会社の窓の正面に見える雪をかぶった富士山を眺めたり、こんな都会にいながらとても季節の移り変わりを楽しむことが出来たものです。

 少し見にくいですが、山本容子さんの絵で飾られた「ル・ゴロワ」のメニュー。

食べることだってもちろん忘れていません。表参道を少し入ったところにあったフレンチレストラン「ル・ゴロワ」はかつてカウンターだけの小さな隠れ家のようなレストランでした。カウンターの壁には版画家山本容子さんの落書きがあってそれもお店の居心地のよさを担っている大切なポイントでした。その「ル・ゴロワ」が青山キラー通りに移転したと聞き、久しぶりに元同僚と一緒に出かけてきました。
表参道のこじんまりとしたかわいらしい雰囲気からは一転、木目調の重厚なカウンターやテーブル席、でも相変わらずキッチンで無駄のない美しい動きでお料理を作るコックさんの姿を見ることが出来ます。そして心配だった山本容子さんの落書きはその壁をはがして持ってきたようで入り口近くに額に入れて飾ってありました。

 
こちらは新しいお店の壁に新たに描かれた山本容子さんの絵。


ランチメニューを頂きました。こちらは前菜。名前忘れました・・・。 


こちらはメインのお皿でもちろん「豚肉」をチョイス。すべて北海道の生産者から仕入れているそうです。

日曜日のランチタイムと言うことで結構混み合っていたせいか、お料理の出てくるテンポがかなりゆる~り気味。でもそこは久しぶりに会った元同僚達と話が弾んでおしゃべりを楽しみました。この日のメインはお料理ではなく、元同僚の一人が大絶賛、絶対食べてと言う「グレープフルーツのプリン」でした。グレープフルーツの酸味とカラメルの甘さが不思議にマッチしてさっぱりとさわやかなプリンでした。


グレープフルーツのプリン。かなり人気のデザートのようです。

食事の後は、まだ紅葉には早かったけれど絵画館前の銀杏並木を歩いたり、表参道まで足を伸ばして同潤会アパート後に前回の帰国時にオープンしていた「表参道ヒルズ」を探検しました。気持ちのいい秋の一日、表参道にも里帰り挨拶が出来ました。


まったく紅葉の気配なし、青々とした絵画館前銀杏並木。


スロープを使って狭さを感じさせない表参道ヒルズ。でも入りたいお店はなかったな~。






こんなトルコケバブの店もありましたよ。
         
  


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古典芸能週間♪

2007-10-24 14:22:03 | 日本里帰り


先週は「古典芸能週間」でした。まずは銀座の歌舞伎座で「芸術祭10月大歌舞伎」を母と叔母と一緒に見てきました。歌舞伎は幼い頃から母や叔母に連れられて親しんできたもの、その家に伝わる格式や風習の伝承と言う意味でも歌舞伎にとても惹かれるので父親の代から息子の代へ、そしてまたその息子へと引き継がれていく変化を楽しむことができるのも歌舞伎ファンである理由のひとつです。

 10月の歌舞伎座。クリックすると大きくなります。

今回の演目には特に私のご贔屓さんは出ていませんでしたが、その美しさに昔から心奪われていた坂東玉三郎の「羽衣」は、玉三郎の年を重ねても変わらぬ精霊のような美しさにため息が出ました。

  
玉三郎演じる「羽衣」。玉三郎さんのサイトより拝借しました。

あの(?)坂田藤十郎の「恋飛脚大和往来」と言う出し物は典型的な上方歌舞伎。最後に降りしきる雪の中を坂田藤十郎演ずる亀屋忠兵衛が身請けした傾城梅川(中村時蔵)とともに逃げる道行きのシーンはとても小さな舞台での出来事とは思えないほど。父親が遠ざかる二人を見送るのですが本当に小さく遠ざかっていくようで悲しくも美しい名場面でした。

 
少しおしゃれをして華やかな歌舞伎座の中を歩くと「日本人でよかった」と思ったりします。

歌舞伎の合間にはやっぱり席でお弁当、そして終わったあとは夕暮れの銀座を眺めながら甘物を頂くと言う定番コースで締めてきました。



次は、ご近所大船の「鎌倉芸術館」で「花の舞」と言う歌舞伎と能と、そして華道のコラボレーションと言う新しい試みでした。歌舞伎からは最近注目されているらしい市川亀冶郎の「藤娘」、能は梅若晋矢の「半蔀(はじとみ)」。源氏物語の夕顔と夕顔の花のはかなさを静かな能の動きの中で表現し、源氏物語の世界へ入り込んでしまったような錯覚を覚えたほどでした。銀座まで行かなくても家の近くでもこのような舞台を見ることが出来るのも日本の良さですね。





我が家の裏庭にひっそりとけなげに咲く夕顔の花。
          
  


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えのすい(新・江ノ島水族館)

2007-10-20 00:12:43 | 日本里帰り


「えのすい」ご存知ですか?新しくなった江ノ島水族館の愛称なんだそうです。我が家から江ノ島へは海岸沿いのサイクリングロードで一直線、30分くらいで行けます。でもあまり行ったことがないんですよね。往復自転車で行くと海からの風で帰りはよれよれになったりして…。新しくなった「えのすい」に一度は行ってみたいと思っておりました。ついに今回念願かなって初えのすい


お天気が悪いのが残念でしたが、デッキからは相模湾が一望できます。

旧・江ノ島水族館はそこら中さびついていて海への眺めもさえぎってうらびれた感じだったのですが、新「えのすい」!中に入ると全面相模湾を見渡せるつくりになっておりとっても気持ちがいいのです。イルカやペンギンのショーもただの見世物ではなくて彼らの生態を教えながら紹介をしてくれます。


江ノ島を眺めながらイルカのショー見物。


最近はイルカのトレーナーさん達も歌って踊れないと!

子供たちが実際にサメにさわったり海がめにえさをやったりイルカと握手をしたり出来るコーナーもあって生物たちには迷惑なのかもしれませんが、リピーターの子供たちは「そんな魚の名前も知ってるんだ」とびっくりするような魚たちの名前を呼んだりしてすごい!と感心してしまいました。

    
こうやって見るとくらげも美しいのですが…。          

相模湾を再現させた大水槽にはたえず波を発生させ相模湾の岩場や沖を泳ぐサメやエイを初め、カンパチやアジ、イサキなど食卓でおなじみの魚たちを見ることが出来ます。有数のイワシの漁場としての相模湾、ここでも8000匹もいると言うイワシが群れになって泳ぐ姿は圧巻でした。

 

たとえうちから30分でも旅気分で江ノ島へ。おみやげ物屋さんを見たり漁師さんのやっているお店でお昼を食べるのも忘れません。

 
マグロのづけ丼に釜揚げ丼。

磯の香りをたっぷり吸って、子供たちの歓声を聞きながら久しぶりに童心に戻った一日でした。


新江ノ島水族館のHP
Kohori-noan埜庵のHP





仕上げは知る人ぞ知る、湘南へ来たらここへ!
天然氷を使って作られたかき氷を食べに「Kohori埜庵・のあん」へ。

        
  


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六義園

2007-10-16 00:05:30 | 日本里帰り


家の中まで金木犀が香るこの頃、虫の声も日本の秋を楽しませてくれています。最近歯医者通いを始めました。ちょっとチェックのつもりで行ったのですが、虫歯もあったし歯のお掃除も念入りにして頂くのでしばらくは続きそうです。(保険がないのでつらい…。)



先日は会社時代のお友達と六義園(りくぎえん)へ行きました。六義園は山手線の駒込駅下車。我が家から東京へは電車で1時間半程、久しぶりの電車に乗っての上京にいささか緊張ぎみです。



六義園は五代将軍・徳川綱吉の信任が厚かった川越藩主・柳沢吉保が元禄15(1702)年に築園した「回遊式築山泉水」の大名庭園です。明治時代に三菱の創業者岩崎弥太郎の別邸になり、現在は国の特別名勝に指定されているそうです。

池の周りにある欅や泰山木、楓の木の木立に響く近くの幼稚園からの運動会の歓声を聞きながら、のんびりと歩きました。

 
かわいらしい少年合唱団のミニコンサートも。

 茶店ではお抹茶で休憩。

久しぶりに会う友達、でも会ってみればすぐに大口開けて笑い、楽しいおしゃべりをしたら一気に1年半の月日は飛んでしまいました。やめてもやっぱり気になる会社の人事動向もしっかりチェックしました。

お昼ごはんを食べに移動した先は銀座、かつては私の管轄(?)だったはずなのに1年半の間に街はすっかり様変わり、新しいビルの出現で人の流れまで変わりつつあるようです。

 特に有楽町の風景はまったく変わっていました。

 カメラがおかしいのではありません。こんな形のビル・・・。

私のリクエストで待望の(?)トンカツと念願(?)のモンブランを付き合って頂きおなかいっぱい、満足。でもまだまだ…夜の部に続くのです。

  

夜の部は長年のつきあいのトルコ語友達との再会。彼女は、いつもいつもトルコへ貴重な救援物資を送ってくれたり運んでくれたり、一生足を向けて寝られない存在です。彼女お薦めのフレンチレストランへ向かいました。和食が一番だよねーと言いながら、やっぱりフレンチも捨てがたいですね。前菜で頂いたサーモンのサラダ仕立ては絶品でした~。

   
サーモンの前菜。ここにもオクラが…。            メインはシーラというお魚。

一人での里帰りは初めてで、女同士での気を使わないおしゃべりも本当に久しぶりのことでした。一人でラマザン(断食月)後半を過ごしてくれた夫のおかげです。感謝!






夜の部のお店の名前は「かえりやま」、HPはこちらです。
         
  


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KUAFOR(美容院)

2007-10-10 10:17:05 | イズミル暮らし・イズミル案内
日本に帰ってきました!早1週間経過。こちらは一日おきくらいに雨が降り湿度が多くてかさかさだったお肌もばさばさだった髪の毛もしっとりツヤツヤびっくりしています。でも何をさわってもなんだか湿っているように感じられて、1年365日の内350日位がスカッ晴れのイズミルの青空が早くも恋しい私。今週くらいからそろそろ日本での行動開始です。


日本で行っている美容院。日本へ帰ったら空港から直行…はしなかったけれど、トルコから予約して早速行ってきました
彼女をトルコへ連れて帰りたい。


トルコで生活する中で不便なことや不満は色々あるけれど、私にとっての一番の悩みは何と言っても美容院。私の髪の毛は硬くて微妙な癖があり日本にいた時から美容師さん泣かせでした。だから一度癖を知ってもらった美容院はよほどの事情がない限り変えません。成人してから行った美容院は全て覚えています。チェーン店ではないこと、小さくてほっとできる空間であること、美容師さんと気が合うか、べらべらしゃべらなくても気持ちが通じる人であるかなどが重要です。

 
ようやく気に入った美容院がトルコでも見つかりました。

トルコでもちろんそこまで期待していたわけではありません。ただ気に入った髪型にカットしてくれるだけでいいのです。そしてトルコ風根掘り葉掘りのおしゃべりもしたくない。それだけ。

 
カットをした後は切りっぱなしで洗い流してくれません。この椅子に座って髪の毛を洗うと首が痛くなります。

最初に暮らしたチョルムで初めて行った美容院、この時は家に帰って号泣しました。今そのときの髪型を写真で見るとそれなりに似合っていていい感じなのですが、たぶんチョルムという小さな町で外人を見ることも初めてで何話していいかわからないし、髪質も見たことないくらい硬いし美容師さんもだったと思うのですが、何の躊躇もなく何も聞かずにいきなり普通の紙を切るようなはさみでざくざくっと切られて流すこともなくハイおしまい!ものの5分で終了、お代は2YTL(4年前)でした。その無神経(に見えた)さに我慢がならず家に帰ってから本当に小さい子供のようにベッドの上で大の字にひっくり返って泣きました。
その後すぐに日本へ帰国する予定があったことやチョルムでは長く暮らさなかったせいもありこの美容院へ二度と行くことはありませんでした。

イズミルに引っ越してから既に4年がたちましたが、その間行った美容院の数は5軒。10年くらい同じ美容院へ通う私にしては記録です。トルコでも腕のいい美容院はもちろんあると思うのです。でも私には夫というものがありまして、この夫、男性のいる美容院へ行くことはYASAK(禁止)だと言うのです。男性の美容師なんてもってのほか!髪の毛を男性にさわってほしくない、そしてたとえば個人経営の美容院で美容師さんの旦那が出入りするのもダメ!どうですか?夫をご存知の方納得ですか?それとも意外?世の中(トルコ)では普通のことなのか、本当に女性だけの中も表からは見えなくなっているような美容院もたくさんあります。でもそういう美容院は近所の奥様達のたまり場状態になっている様に思えてその中に入って行けません。最初の頃は夫も一緒に探してくれたり、「男性は来ないでしょうね」と確認してくれたり(?)していましたが、やっぱり一長一短気に入らなかったのです。


ブログで紹介すると言ったら大喜びでポーズをとってくれました。

去年は私の美容院の悩みを知っているお隣さんが色々と調査の末「あなたにぴったりの美容院を見つけたわ!」と探してきてくれました。そして翌日には付き添って一緒に行ってくれました。この美容院はまあまあカットも上手だし日本の雑誌を持って行けばそれを見ながら一生懸命それっぽくも切ってくれたのですが、いかんせん美容師さんの根掘り葉掘り質問が多いのと(しかも行くたびに同じ事を聞く)、彼女の悩みが尽きず話を聞いているだけで暗くなってくるのでだんだん足が遠のきました。


美容院にもしっかりアタトュルクの写真があります。

そんな時、以前この家を買うときにお世話になった不動産屋の隣に美容院があり、行ってみると、トルコへ来て初めてそのカットの仕方がとても気に入り、家に帰ってからも次はいつ行こうかと美容院へ行くのが楽しみになったのです。今までの美容院では私の硬くて嵩の多い髪の毛を見るとレザーやすきばさみでざくざくとやり、頭のてっぺん迄そうやって切るので切った時はいい感じに見えるのですが、伸び始めると短い髪の毛がつんつんと飛び出してきて鏡をいるのもいやになります。でも今の美容師さんは全てはさみで丁寧にカットしてくれます。それまでイズミルで行っていた美容院のカット代はだいたい5YTL前後でしたが、ここは10YTLと少し高め。でも街中の美容院だったら20YTL以上するところも普通だと思うし、気に入っているので納得の価格です。
ただいつ行ってもお客さんのいないのがちょっと心配ですが、長いお付き合いができるといいなと思っています。






ついでに隣の不動産屋の店頭。   
         






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