トルコでホームレスのような人を見たことはありません。でも物乞いはたくさんいます。道に座り込んで箱を置いているクラシックな物乞い、「アービー(おにいさん)、アッラーがお認めになるようパン代をくださいよ」と言う若い男、こういう人は大抵もらったお金はお酒に化けるらしいので夫は「じゃあ一緒にパン屋へ行ってパンを買おう」と言うと去っていきます。物乞いと言えるのかかどうかわかりませんが、ティッシュを売る人、バラの花を売って占いをしようと言うおばちゃん、夫も大抵は無視するか「いらないありがとう」と言って通り過ぎてしまいますが、「いらない」と言われて素直に引き下がるお年寄りには弱いらしく、わざわざかけ戻って買ったりしています。
先日は、友達の店に座ってお喋りをしていたらドアを開けて写真付の身分証明書のようなものを見せながら中年男性が入ってきて「今日刑務所から出てきたんだけど、全くお金を持っていないので少しくれないか」と言いました。私は内心「あげるな、あげるな、いいおっさん、日雇い仕事でも何でもして稼げよー」と思っていましたが、友達は面倒だと思ったのか「少しだけど」と言って1YTL(80円ほど)を渡していました。手にしていたのは刑務所出所証明だったのでしょうか?トルコ人必携の身分証明書とは違うものでした。
そんな中での変わり種は「ベシクルシュヴァルム、ベシクルシュ?」と言いながら我が家の前の通りにある店舗をほぼ毎日巡回してくる少年。年の頃は15・6歳、少し知的障害があるようで、話しながらアイコンタクトをとることや、それ以外の言葉を話すことはあまりできないようです。最初に見たときは物乞い?怪しい人?と警戒していましたが、夫は、毎日5クルシュを用意して待っています。5クルシュと言えば日本円にして4円ほど。その微妙な金額が、功を奏すのか多くの商店主達にとって少年の訪れは日課になってしまったようです。通りを歩いている時は常に集った5クルシュ硬貨を声に出しながら数えています。夫が時々「いくつ集った?」と聞くと「184個」などと結構な収穫のよう。この辺だけを歩いているのかと思ったら、いつぞやは別の地区を巡回中、夫に気がついたのか顔を見ると「ベシクルシュヴァルム?」と声をかけてきました。夫も「さっき店であげたじゃないかあ。明日店においで」と言うとそれ以上は固執せず歩き始めます。また別の日には地下鉄で2駅ほどの距離の繁華街でも商売中(?)の彼を見かけました。驚くほど守備範囲は広いようです。
2・3日前夫がしばらくベシクルシュチュ(こう呼んでいる=ベシクルシュ屋)を見かけなかったんだけど、今日来たから「どうしてたんだ?」と聞いたら「tatilに行ってた、tatil」と答えが返ってきたそうです。tatil(ターティル)とは休暇、ヴァカンスのような意味があります。こつこつと貯めた5クルシュ硬貨でどこへtatilに行ったのでしょう。ちょっと聞いてみたい気がします。
※写真は本文とは全く関係ないし、見えにくいかもしれませんが、夫が書いたもの。お昼休みに戻ってくる夫用に昼食を用意して私が出かけた日のこと、戻ってくるとこの書置きがありました。日本語はほとんど知らないと言える夫、辞書を見ながら模写(?)したそうです。「たいした腕前だね」と言うのは、辞書によるとellerine saglik=食事などを作った人に言う言葉(あなたの手が健康であります様に、と言うような意味があります)の日本語訳だそうです。
先日は、友達の店に座ってお喋りをしていたらドアを開けて写真付の身分証明書のようなものを見せながら中年男性が入ってきて「今日刑務所から出てきたんだけど、全くお金を持っていないので少しくれないか」と言いました。私は内心「あげるな、あげるな、いいおっさん、日雇い仕事でも何でもして稼げよー」と思っていましたが、友達は面倒だと思ったのか「少しだけど」と言って1YTL(80円ほど)を渡していました。手にしていたのは刑務所出所証明だったのでしょうか?トルコ人必携の身分証明書とは違うものでした。
そんな中での変わり種は「ベシクルシュヴァルム、ベシクルシュ?」と言いながら我が家の前の通りにある店舗をほぼ毎日巡回してくる少年。年の頃は15・6歳、少し知的障害があるようで、話しながらアイコンタクトをとることや、それ以外の言葉を話すことはあまりできないようです。最初に見たときは物乞い?怪しい人?と警戒していましたが、夫は、毎日5クルシュを用意して待っています。5クルシュと言えば日本円にして4円ほど。その微妙な金額が、功を奏すのか多くの商店主達にとって少年の訪れは日課になってしまったようです。通りを歩いている時は常に集った5クルシュ硬貨を声に出しながら数えています。夫が時々「いくつ集った?」と聞くと「184個」などと結構な収穫のよう。この辺だけを歩いているのかと思ったら、いつぞやは別の地区を巡回中、夫に気がついたのか顔を見ると「ベシクルシュヴァルム?」と声をかけてきました。夫も「さっき店であげたじゃないかあ。明日店においで」と言うとそれ以上は固執せず歩き始めます。また別の日には地下鉄で2駅ほどの距離の繁華街でも商売中(?)の彼を見かけました。驚くほど守備範囲は広いようです。
2・3日前夫がしばらくベシクルシュチュ(こう呼んでいる=ベシクルシュ屋)を見かけなかったんだけど、今日来たから「どうしてたんだ?」と聞いたら「tatilに行ってた、tatil」と答えが返ってきたそうです。tatil(ターティル)とは休暇、ヴァカンスのような意味があります。こつこつと貯めた5クルシュ硬貨でどこへtatilに行ったのでしょう。ちょっと聞いてみたい気がします。
※写真は本文とは全く関係ないし、見えにくいかもしれませんが、夫が書いたもの。お昼休みに戻ってくる夫用に昼食を用意して私が出かけた日のこと、戻ってくるとこの書置きがありました。日本語はほとんど知らないと言える夫、辞書を見ながら模写(?)したそうです。「たいした腕前だね」と言うのは、辞書によるとellerine saglik=食事などを作った人に言う言葉(あなたの手が健康であります様に、と言うような意味があります)の日本語訳だそうです。