イズミル便り

IZMIR'DEN MERHABA

DEVE GURESI(デヴェギュレシ=らくだ相撲)

2012-03-14 17:19:36 | イズミル暮らし・イズミル案内

トルコに住むようになり、セルチュクで毎冬行われているDEVE GURESI(らくだ相撲)のニュースを見るたびに「ああ、今年も見逃した~!」と残念に思っていたのですが、ひょんなことからエーゲ地方では毎年12月から3月にかけて毎週巡業の様に各地を回っていることを発見!?

そんなに遠くない場所で都合のよい日曜日に行われる日をチェック、イズミル発祥の地と言われるSMYRNA(スミルナ)広場で行われるDEVE GURESI FESTIVALI(らくだ相撲フェティバル)に出かけました。

ふだんはパザル(青空市)に使われているらしい広大な広場が人、人、人で埋まっていました。近づけないのではと思い、まずはそれほど人だかりのしていない出番待ちのらくだが控えている場所へ。観光地で見かけるひ弱そうならくだと違って堂々としたこの姿、そして優しくとろーんとした目、動物好きの血がさわぎます。

DEVE GURESIは一般にエーゲ、マルマラ、地中海地方で行われ、遊牧民の風習から来た競技、ひと瘤のYOZと呼ばれる雌のらくだとふた瘤のBUHURと呼ばれる雄のらくだを交配させて生まれたTULUと言う雄のらくだによって行われているそうです。このらくだはDEVE GURESIのためだけにSAVRANと呼ばれる世話人が育て、競馬と同じように血統が重視されているようです。

競技が行われている土俵(広い小学校の校庭くらいありますが)にはなかなか近づけませんが、その周りで観戦する人たち、これがイズミル?と思われる濃~いトルコおじさんがいっぱい。でも競馬の様な必死さは全然なくて皆さんのんびりと和気藹々。

競技そっちのけでマンガル(BBQ)を始めている人たち、自前の楽隊でROMANLAR(日本語でロマ)の人たちが踊り狂っていたり、前や後ろを通り過ぎる人をものともせずに宴会状態のグループなど、なんだかのどかでその昔まだトルコ民族がこの地へ来る前に中央アジアのどこかの草原にいた頃もこんなお祭りが行われていたのかなあとはるか昔に思いを馳せてしまいました。

競技の場では、もちろんらくだ達の戦いも繰り広げられているのですが、その周りをゆったりゆったり通り過ぎていくたぶんCMを背負ったらくだのこののんびりペースがたまらなくいい雰囲気(下のビデオをご覧下さい)。


そのうちに雨がぽつぽつと落ちてきました。この時季イズミルへ降る雨はどこかの砂漠から飛んでくるのか砂塵交じりの雨。黒いコートには泥が降ったような跡がつきます。大事な大事なカメラを抱えるわが夫、らくだ撮影を早々に終え、上着の中にカメラを隠して「帰ろうよー、帰ろうよー(カメラが濡れるから・・・)」と始めました。

一人で帰ってください、とはさすがに言えないので後ろ髪を引かれながら会場を後に。ああこのテンポ、なんだか私にとっても合っているような気がします。今年のDEVE GURESIのシーズンはそろそろ終わり、来年はスケジュールをしっかり把握して追っかけしようかなあ。

 

 

 

帰り道で見かけた春。

   

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SASALI KUS CENNETI(ササル・バードパラダイス)

2012-03-09 14:34:13 | イズミル暮らし・イズミル案内

3回目のCEMREが大地に落ちて、イズミルにもいよいよ春が駆け足でやってきました。朝晩はまだまだ寒いけれど昼間はもうコートを脱ぎたくなるような陽気です。

我が家の西側の窓からイズミル湾を眺めると、天気のよい日や干潮の時などにかなた向こうの海の中に小さな島の様なものがうっすら見えることがあります。そしてその向こうには台形型の低い小山の様な地形、これがイズミルの郊外CIGLI(チイリ)市SASALI(ササル)にあるKUS CENNETI(バードパラダイス)だと気がついたのは、この日曜日のことでした。

                                  抱卵地域につき立ち入り禁止。

お天気に誘われて、イズミル湾をぐるっと25kmほどドライブ、CIGLIのKUSCENNETIを目指しました。GEDIZ DELTA(ゲディズ三角州)、CAMALTI(チャムアルトゥ)塩田地帯に広がる8000ヘクタールのKUS CENNETI、絶滅の危機にあると言うTEPELI PELIKAN(ニシハイイロペリカン)やフラミンゴ、コウノトリ、YALI CAPKINIというイズミルのシンボルになっている鳥など205の種類が住んでいるそうです。渡り鳥の通り道になっている為に、年間50.000羽もの鳥が訪れます。

またこのCAMALTI塩田はトルコの年間塩需要の60万トンの塩をまかなっているとか。KUS CENNETIの敷地に入るとすぐに羽を休めるフラミンゴたちがたくさん見えて興奮。そこから8kmほど行ったところに車を停めるとその先は徒歩か自転車のみ。ずーっと続く一本道を両脇に見える鳥達を眺めながら歩きます。まだまだ風は冷たく帽子に手袋をしてかなり歩いたところでようやく身体がぽかぽか暖かくなってきました。

実はフラミンゴ達が群れになってはばたく姿を期待していたのですが、のどかな昼下がり、みーんなのんびり餌をついばんでいるのか羽を休めているのか、あまり動きがありません。たまにバタバタバタとちょっとこっけいな姿で飛び立つフラミンゴを必死にカメラで追う夫。数分おきにそんな光景が見えるのでまるで飛行場の様でした。

 

歩き始めて5km地点に家から見える台形型の山に到達したのです。ここから更に5km行くとLEUKAI(レウカイ)という遺跡があります。紀元前383年ごろ出来た都市の様です。この都市は他の都市から独立していた為、独自の硬貨を鋳造していましたが、その硬貨には鶴の姿があったそうで、2000年以上も前からこの辺りが鳥達にとって大切な場所だったことがわかります。

                                                                                       http://www.kenthaber.com/ege/izmir/urla/Rehber/antik-kentler/leukai-leucae より拝借。

遺跡に行くのは途中でめげてしまったのですが、高台に上ってみるとどこまでも続くGEDIZ DELTA、今更ながらトルコは広い!などと思いながら歩いていると夫の「あ!」と言う声。そこには紫や薄いピンク、真っ赤など色とりどりのこんな花が咲いていました。一面の花畑ではないけれど控えめに健気に咲いている花、おそらくANEMON(アネモン=アネモネ)の一種ではないでしょうか。

美味しい空気を吸いながら歩いた10km、とっても気持ちがよかったけれど実はフラミンゴやペリカン、かもめなどイズミルのもっと中心地に近いところでもけっこう見ることができるので、こんな遠くまで来なくてもよかった?と思ったものですが、この花を見ることができてウォーキングの疲れも吹き飛んだようです。

そして家に戻って、もう一度西の方を眺めてみると少し前までその上にいた台形が見えて、また興奮してしまったのでした。

 

 

 

別の場所にいたこの鳥、なんでしょう。年寄りのフラミンゴ?サギ科の鳥?

   

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UMRE(ウムレ)

2012-03-02 15:54:57 | Weblog

火曜日の朝5時半起きで空港へ向かいました。家の方は曇り空でしたが空港へ近づくにつれそれほど遠くもない山が白く雪化粧をしていてびっくり。2月も終わると言うのにイズミルに再び雪が降りました。空港へはアンネ(義母)とテイゼ(夫の叔母)の見送りに。ご存知の通りトルコは政教分離とはいえ、敬虔かそうでないかは別として、国民のほとんどがイスラム教徒です。イスラム暦の12月にはイスラムの五行(信仰告白、礼拝、喜捨、断食、巡礼)のうちの巡礼をする月としてあらかじめ宗教省に申し込みをしていた人のうち当選?した人たちがサウジアラビアのメッカへと向かいます。

                                 空港のハジ専用チェックインカウンター

ハジの時期に世界中からイスラム教徒がメッカへ集まる光景をニュースなどでご覧になった方もあるでしょう。アンネとテイゼが出かけたのはUMRE(ウムレ=日本語ではウムラと呼んでいるようです)と言ってYARIM HAC(半ハジ=小巡礼)と呼ばれるものです。これはイスラム暦の12月以外のいつでも出かけることができます。期間も2週間ほどで正式なハジで行わなければならないことをすべてするわけではないそうです。だから半ハジ。ウムレツアーと称して様々な旅行会社がツアーを提供します。

 トルコ国旗マークつきのUMRE用身分証明書

出発前にはパスポート取得から予防接種、そしてツアーを添乗してくれるHOCA(ホジャ=先生)による説明会があったそうです。旅行会社からは宗教省発行のガイドブック、写真集、旅行日記、数珠、お祈り用の敷物、かばん、コーランなどの冊子のセットが配られました。服装はすべての人が平等であると言う意味で、男性は縫い目のない白い2枚の布を身体に巻くのみ。

女性には特に指定はないようですが、皆さんやはり白のシンプルなハジ用に売られている上下を着ていました。道中は普段の服装でもよいのでアンネ達はこんなスタイル。夫はサウジアラビアリヤルに両替してお小遣いを渡していました。この写真の肖像、王様でしょうか。ちょっと漫画チックですね。

雪が降って凍えるイズミルからトルコ航空の特別ハジ便でサウジアラビアのジェッダまで3時間あまりのフライト。降り立った空港の気温は29度だったそうです。すぐにバスでメッカへ移動したとのこと。お祈りをしたりコーランを詠んだり、カアバ神殿の周りを回ったり、毎日お勤めをしている様です。サウジアラビアで使える携帯電話のカードも購入して行ったので毎日アンネたちから電話が入ります。アンネは足が痛くてちょっとの距離を歩くのも辛そうだったのに、メッカへ行ったとたんに俄然元気になり、今日の電話では「もうトルコへ帰りたくない、ここにずっといる」「本当のハジにも申し込みしたい」と言っていました。

宿泊するホテルもトルコのホテルだそうで、食事もトルコ人のコックさんが作るのだとか。せっかく外国へ行ったのだから、現地の料理を食べたいと思わないのはトルコ料理が世界で一番だと思っているトルコ人だからでしょうか。テイゼにはブログの為にも写真をたくさん撮ってきてねと頼んでありますが、そんな余裕があるかなあとちょっと心配。13日頃に帰国の予定。元気で残りの日程を無事に過ごしてほしいものです。

 

 

トルコ生活9年目にして初めて見つけたさやえんどう。春ですね。

   


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